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2009年10月29日

電動バイクの時代がやってきた!(&未来予測)

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]原動機Blog カテゴリー : 陸海空ファンビークル ]

朝日新聞ではプロスタッフの「ミレット」、NHKおはよう日本では仙台のイーモービル、JAF MATEではオーシャンエナジーテクニカと、電動バイク、電動スクーターがメディアで相次いで取り上げられている。
…と昨朝Twitterに書きました。

朝日の記事はこれ。2009年10月28日朝刊15面(経済面)。
「1円で3キロ走る電動バイク 愛知のメーカー来春発売」


あ、asahi.comでも記事になってました。
 カー用品メーカーのプロスタッフ(愛知県一宮市)は、ペダルの付いた電動スクーター「ミレット」を開発した。通常は電気で走り、急な坂道など力が必要な場面では、足でペダルをこいでモーターを補助する。1回の充電で約35キロ走行。1円分の電気で約3キロ走る経済性が売りだ。税込み15万6900円で、来春から全国のホームセンター、バイク店で発売する。
 電動モーターが補助する電動アシスト自転車と違い、あくまでもスクーターなので、公道で乗る場合には原付き免許が必要。
 シートの下に、取り外しが可能な約9キロの鉛蓄電池ブロックが2個入っており、家庭の100ボルト電源で充電できる。1円分の電気で約3キロ走る経済性は、ガソリンエンジンのスクーターの約10倍という。
 電動なので、走行時の静かさも特長。同社は「経済性や静かさなど特長は、ハイブリッド車『プリウス』と一緒」(広報)としている。12色をそろえ、若い女性からの支持も期待している。
[ 1円で3キロ走る電動スクーター 坂道はペダルこいで asahi.com2009年10月28日5時5分 ]
電動アシスト自転車は人力ベースでモーターがアシストするわけですが、これはその逆で、つまり人力アシストの電動スクーターってわけですね。

電動アシストは負荷にかかわらずペダルをこぐ力が一定になるようにアシストするので、坂道が楽々登れるってのが新鮮な驚きでありメリットでもあったわけですが、こちらだと坂道は逆に人力でがんばることになるのですねえ。

株式会社プロスタッフのニュースリリースによれば、車両重量は59kg。これをヤマハが今年7月に発売した「PAS Brace-L」(マイコミジャーナル)と比較してみます。ちなみにPAS Brace-Lは長距離走行の可能な上級タイプで、価格は149,800円とほぼ互角。車両重量はPAS Brace-Lが23.4kgだから、ミレットは倍以上。ちょっと厳しい。また、1充電当たりの走行距離もPAS Brace-Lが118km(ヤマハ測定値)なのに比べてミレットは35kmだから、こちらは1/3以下と、さらに厳しい。

車両重量が59kg、定格出力が350Wというのは、おおむね人間ひとり分 [コチラを参照] だから、ミレットは「人ひとり移動するのにもうひとりが手助けしてる」ぐらいな移動ツールと考えればいいと思います。

ミレットの製品サイトはコチラ。岐阜の金華山(!)を走行する動画も見られます。ペダルをコキコキしながら走るバイクというのは、なかなかお茶目かもしれないです。移動のエネルギー効率の点では上記のとおり自転車には及ばないけど、チャリより楽に近所を動きたいという向きにはいいかもしれません。
(…最高時速がわからないんですが)

次は仙台のイーモービル株式会社。サイトはコチライー・モバイルではないので要注意。この会社、エアロトレインの小濱康昭教授に取材でお会いしたとき(2006年)に聞いていたのだけど、小濱教授は顧問でしたね。じつはそのとき試乗もさせてもらって、モーター特有の発進トルクの力強さにびっくりした記憶があります。ここのモーターはホイルインモーター、中国製じゃなかったかな。えーと、こちらの最高時速は50km/h。満充電で計算値50km走行可能とあります。

最後にオーシャンエナジーテクニカ。JAF Mateの最新号、2009年11月号。
モータージャーナリスト下野康史さんの連載「やっぱり乗り物がおもしろい」(←これだけが楽しみで毎回読んでいる)。

オーシャンエナジーテクニカのサイトはコチラ
ここは熊本県の会社で、作業員17人の小さな工場だということです。イーモービル同様にホイルインモーターで、aicoというモデルが198,000円。オプションでリチウム電池にもできるらしいです。
最高時速45km/h、航続距離は約40km。

経済産業省九州経済産業局のサイトには、
原動機付自転車(原付)としての電動バイクの法令「モーターは600ワット以下」により、スピードが出ない、坂道を登れないなどのパワー不足が従来の課題であり、これを克服する画期的な電動バイク専用の変速機を開発したオーシャンエナジーテクニカ株式会社
と紹介されている。どういうことか。コチラによれば、
電動バイクの課題は「航続距離と登坂力」(横山社長)
電動バイクは法規則で、モーターの出力は定格600W以下と定められているが、これは1馬力にも満たないため、急坂の登坂は不可能。
(※50ccエンジンは2馬力以上)
そこでオーシャンエナジーテクニカでは、電動バイク用の高効率変速機(負荷損失30〜40W)を独自開発。
(※従来のエンジンバイク用自動変速機の不可損失は300W)
これと二次電池の制御技術改良を合わせ、登坂力・効率・航続距離が向上した。
と説明されています。なるほど。

それから、上記で引用したコチラによれば、中国では現在、大都市を中心に1,300万台以上の電動バイクが走行していて、なおかつ中国国内では、「定格350W未満のモーター」「 最高時速25km以下」の電動バイクは自転車とみなされるのだそうです。すげーな中国:roll:

原チャリは通勤や買い物の近場移動に使われることがほとんどだと思うから、最高時速も航続距離もハイスペックは必要ないし、お得感があればけっこう売れるかもしれませんね。

ガソリンエンジンはいずれ“贅沢なオモチャ”になるのではと歩きながら思ったりして。と昨日行きかう国道を眺めながら思ったんですが、電動の移動ツールは近距離移動に向いているから、時に高スペックが要求・注目される四輪車よりも先にこうして二輪車で普及が進むかもなと思っています。

おそらく、いずれガソリンと電気では用途に応じて棲み分けができていって、物流はガソリン(とディーゼル)、乗用は長距離はガソリン、短距離は電気というようになっていくのではないでしょうか。グランドツーリング(GT)なんて持ってても、おおかたそんなにしょっちゅう長旅をするわけでなく、大半は駐車場で宝の持ち腐れ、高額な支出は見栄と自己満足のためのものでしょう。そんなのに大金はたくの、もったいないという意識が昨今の若者車離れの根底にあると思います。

家族でシェアするなら「一家に一台」ぐらいはガソリンエンジン車はあってもいいけど(家族単位でなければカーシェアリング)、あとはより実用性と経済性にすぐれた、そして環境負荷の軽い電動のパーソナルビークル、シティーコミューターに乗り換えられていくという流れになるのではないかなあと、希望を含めて思います。

電動は面白いです。デザインの自由度が高いから、これからも国内外のあちこちでユニークな電動の乗り物が登場することになるのではないかとワクワクしています。

あと、ヒトはどんどん都市に集中して住む傾向があるから、その意味でも電動バイクを含む電動パーソナルビークルの時代ですね、これからは:heart:

■関連記事(当サイト内):
「電動スクーター」中国から日本へ

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