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2009年06月24日

戦前から続く「ホタル番」から残念な新聞カメラマンまで、ホタル記事総まくり

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ご当地エクスプローラ カテゴリー : 日本 ]

ホタル鑑賞の心得
・ホタルを捕まえないようにしましょう。
・車のライト、カメラのフラッシュ、タバコの火などの強い光は出さないように。(ホタル同士のコミュニケーションのさまたげになります)
・懐中電灯の使用は最低限にしましょう。
・ゴミは持ち帰りましょう。
・ホタルの出ない場所でも、タバコのポイ捨てはやめましょう。タバコの吸ガラで土壌や水が汚染されてしまいます。
・地域の方に迷惑をかけないようにしましょう。(大声、花火、エンジン音など、騒音に気をつけて)
・近隣の方の迷惑にならないよう、駐車場所に気をつけて。
・トイレなどは事前に済ませていきましょう。
・危険な場所に入らないようにしましょう。
[ link ]
↑よくまとまっているので引用。全国統一のこうした心得集みたいなものがあるといいなあ〜:wink:

前記事に続いてホタル話。毎年この時期になると、ホタル記事が各地の地方紙や全国紙地方版をかざります。そのなかからいくつかピックアップしてご紹介。

まず、滋賀県米原市の「天の川ほたるまつり」。ここでは「長岡のゲンジボタル及びその発生地」として国の特別天然記念物に指定されています。“無脳”阿部雅之記者と同じ中日新聞の記事ですが、戦前からの地元「ホタル番」の歴史を教えてくれて、ありがとう大橋聡美記者。
 国の特別天然記念物に指定されている米原市長岡のゲンジボタルが、今年も美しく舞う季節を迎えた。災害や環境悪化の影響で一時は激減したものの住民は80年もの間、地元に息づく命を守り続けてきた。
 ゲンジボタルは、清流にのみ生息するとされ、長岡では1926(昭和元)年、地元青年らが「ホタル番」となり保護運動を始めた。
 運動が功を奏して1940年代までには多くのホタルが舞うようになり、戦時中には「敵機襲来の標的にされるのでは」と住民らが不安に思うほどの光を放っていたという。
 地元の堀江正裕さん(66)は「当時はホタルが流れるように近寄ってきて自分たちを包み込んでくれるほどだった」と懐かしむ。
 しかし、52(昭和27)年に国の特別天然記念物指定を受けた後の59年、伊勢湾台風の影響で長岡を流れる天の川が決壊。ホタル繁殖場所の大半が流失。その後は、種蛍2000匹余りを人工ふ化させる取り組みや、農薬を制限するなど町を挙げてホタルの光を取り戻す試みを続け、少しずつ当時の風景に近づいている。
[ 近江長岡ホタル祭り、光の舞を楽しんで - 中日新聞滋賀版5月29日 ]


そして兵庫県豊岡市の城崎温泉。こちらは新城市湯谷温泉とおなじく温泉街でありながら、まったく違う取り組みをしています。
 豊岡市の城崎温泉でこの夏、半世紀ぶりにホタルが復活した。温泉街を流れる大谿川(おお・たに・がわ)の浄化や地元有志による保護活動が実を結んだ。
 かつて清流として知られた大谿川流域はホタルをはじめ、エビやカジカなどの生き物が生息していた。戦後、生活排水や農薬の影響で川が汚れ、多くの生き物たちも姿を消したが、01年に町の下水道事業の供用が始まると少しずつ浄化。昨夏、地元でみやげ物店を営む森貞淳一さん(65)が約10匹のホタルが舞っているのを確認した。
 これを機に地元の旅館や飲食店の経営者約20人が「ホタルが飛び交う風景を取り戻そう」と昨年7月、「ホタル再生の会」を結成。川に採卵器を置いたり、サナギが避難できるよう川べりにシバザクラを植えたりして環境作りに取り組んだ。
 結果、今月上旬ごろから温泉街のまんだら橋から桜橋の間約350メートルでホタルが舞うようになった。13日夜に有志が調査したところ、250匹を確認できたという。
 現地では、川沿いに並ぶ灯籠(とう・ろう)を段ボールで囲んで明かりを消し、ホタルを観賞できるようにしている。
[ 半世紀ぶりホタル復活/但馬・城崎温泉街 - asahi.comマイタウン兵庫6月19日版 ]
次は三重県鈴鹿市。2年前の記事ですが…ホタルを守るといっても、どちらかというとメディア(と、ネットイナゴのようにどっと押しかける群集)からホタルを守るという趣きの「守る会」の活動。
 鈴鹿市西庄内町の「ほたるの里」で、6月2、3日の午後5〜9時「ほたるまつり」が行われる。
 ほたるの里は市北西部で、東名阪自動車道・鈴鹿インターチェンジから車で約10分。4年前無数のホタルが飛び交い、テレビ放映を機に横浜、神戸などからも見物客が押し寄せ、混乱した。これを受けて地元の住民が「上野自治会ほたるを守る会」(山田一治会長、約30人)を結成し活動。自然のままの状態での生息を願い、えさのカワニナの放流はしていない。川の水質保全のため、農薬使用を少なくするよう農家に依頼するなどの活動をしている。
[ ほたるまつり:来月2・3日、鈴鹿で - 毎日新聞三重版2007年5月31日 ]
■関連リンク:鈴鹿ほたるの里

こういうところは全国でたくさんあるでしょう。
「インターネットで探し当てた」という東京や埼玉の若者が見物に訪れるようになった。多いときには一晩で50〜60人の人出でにぎわう。
と2年前の記事で書かれた茨城県笠間市の「駒場ほたるの会」は大丈夫でしょうか。。。:ase:

一方こちらは新城市湯谷温泉と同様、悪徳業者をはびこらせる結果をもたらす、一見教育的なイベント。新梅田シティの商業組合が流したプレスリリースに釣られた“無脳”記者によるものと思われる記事。
同シティ内にある人工の森「中自然の森」では、ホタル約600匹が放たれ、神秘的な淡い光が点滅した。同シティのテナントでつくる商業組合が企画。日没後、光がゆっくり灯(とも)り始めると歓声が上がり、家族で訪れた堺市の中川大河君(4)は「お尻をピカピカさせ、たくさん飛んできれい」と話した。今月中旬までに計2500匹が放たれ、午後10時頃まで楽しめる。
[ 都心の畑で園児苗植え 新梅田シティ - 読売新聞大阪版2009年6月6日 ]
ところでこの2500匹のホタル、このあとどうなっちゃうのかな。過去の新聞記事も参照すればこのイベントは今年で16年目。カワニナを放ったりしてホタルが自然繁殖できる環境作りにも力を入れ、去年は「放流前の5月末、ホタル数匹が舞っていることを確認した」と記事に書かれているが、ま、多めに見積もっても生存率1%にも満たないということは、ほぼ全滅に近いんですよね。子どもにどう説明するんでしょうか。「ホタルもこの過酷な環境で生き延びようとがんばってます!」とでも言うのでしょうか:x:

歓声を上げた子どもたちには、ぜひ、NPOホタルの会のサイトで見た、こんな記事をぜひ読んでいただきたいと思います。これがいわゆる大人の都合ってやつです。
現在、日本各地でホタルの飼育や養殖が盛んに行われています。水槽でたくさん飼育して、3月に小さなビオトープに幼虫を放流し、何百も成虫が飛んだと喜ぶ方々がいます。ホタルが生息できない環境にも関わらず、イベント用として養殖業者から購入して何千匹と放す方々がいます。業者は、全国の自然発生地から乱獲して販売しています。いずれもホタルの生態や生息環境など考えることもなく、すべて人間の管理の下にホタルを出すこと飛ばすこと、人々がホタルをみて楽しむことだけを目的にした行為です。自然環境の中で本来のホタルの姿を見るとき、こうした人間のわがままな行為に憤りを感じます。ぜひとも、ホタル本来の姿を忘れないでいただきたいと思います。
それから…ホタル観察会で
持ち物は筆記用具と懐中電灯。
[ ホタル観察会:保護活動で名所復活−−あす、愛荘・岩倉川 /滋賀 - 毎日新聞滋賀版2009年6月5日 ]
って、いいのでしょうか?いいのですか。まあ、必要最小限でお願いします。

懐中電灯はこっちにも。
近藤さんが「ホタルはついに定着した」とみるせせらぎに今、懐中電灯を手にした家族連れの歓声が重なる。「きれい」「ほら、あそこにも」…。
[ 住民努力で60年ぶりにホタル群舞/小田原 - 神奈川新聞06/17 ]
うーむ。そうだ、ホタルにやさしい「ホタル観賞用懐中電灯」を量産化していただけないでしょうか>メーカーの方:heart:

ところでメディア人の言動は影響力が強いために率先して模範を見せる必要があるのではないかと自戒も込めて思うんですが、そんな公益性などまるで考えてないっぽいエゴな記事。
ストロボ焚いてる〜。以下同。



これではアマチュアがストロボを焚くのも無理ないですかね。ひどいな>天下の新聞カメラマン:[]

山陽新聞の編集委員が「ホタルと「光害」」という記事を書いています。2年前のですが。
私は、他の見学者にならい、車道脇のスペースに車を止めたのですが、川沿いに立って暗闇に少し目が慣れたころ、後悔の念に襲われました。「車は遠くに止めて歩いてくれば良かった」と。
人間だって、暗闇でいきなり車のライトを浴びると、目が痛いくらいにまぶしいのです。ホタルがまともにこんな光を浴びたらどうなるか…。私は、軽率に放ってしまった自分の「光害」に恥じ入りました。
ホタルに詳しい方に尋ねると、実際、ヘッドライトなどの人工照明がホタルの生殖活動を阻害する問題は全国で議論されており、ホタルの保護には光害対策が欠かせなくなっているそうです。
各地でホタル祭りが盛んです。見学に行かれる方は、くれぐれも自分の光害は最小限にとどめ、ホタルの光を楽しんでいただきたいと思います。
[ デスクノート - 山陽新聞2007年6月15日 ]
光害、といえば気になるのはこの記事。
区長の角川重博さん(60)らはホタルがいる水路わきに「ぼんぼり」を7本建てた。こう書かれていた。「心のあかるさと未来のあかるさは不思議なことに比例するんだよ」
[ ホタルの里づくり:高島で取り組み進む きょう「夕べ」や「まつり」 /滋賀 - 毎日新聞滋賀版2009年6月13日 ]
上記城崎温泉では「川沿いに並ぶ灯籠を段ボールで囲んで明かりを消し」ていますが、こちらは大丈夫でしょうか?前回の記事もふれましたが、
ある町が「ホタルまつり」を行う際に、小川のまわりに提灯に火を灯してたくさん並べました。一見、とても風情のある光景ですが、数年後にホタルは絶滅してしまったという例もあります。
『ホタル百科』(2004年、東京ゲンジボタル研究所)
という過去の教訓を生かしていただきたいと思います。

こうして各地のホタル記事を丹念に拾っていくと、仁上ほたるまつりのような自然繁殖のホタルは全国的にも珍しく、幼虫や、エサになるカワニナの放流が全国いたるところで行われていることがよくわかるのですが、全国ホタル研究会では2年前にまとめた「ホタル類等,生物集団の新規・追加移植および環境改変に関する指針」で、
ホタル類等の移植は,極力これを行わない。
ホタル類の幼虫は肉食性であり,生態系の食物連鎖における上位種であることから,餌生物群を激減させるなど,対象地域の生物群集の組成等に大きな影響を与える可能性がある。また,各生物の食性にかかわらず,生物集団の移植は対象地域の生物群集の組成等に影響を与える可能性がある。さらに,異質な集団の移植により,対象地域の集団の遺伝組成に重篤な影響を与える可能性がある。
としています。この指針にあるように、ホタルの放流はできるだけやめましょう。ホタルが乱舞しさえすればそれでいいという安直な「ホタル・ファシズム」ともいうべき考え方があるとすれば、ぼくはまったく賛同できません:??

ホタルに限らず、いまは環境が食い物にされる時代。

■関連記事(当サイト内):
生息できない過酷な環境にホタルを放つことが自然保護を考えるきっかけになるという理屈
かよわくも無邪気なホタルたちとシンクロした夜(新潟県上越市大島区仁上)
悪徳業者をはびこらせホタルを苦しめる新聞“無脳”記者
幸せなホタルと、見世物のホタル
発生しないはずの場所でホタルが大発生する国ニッポン

⇒この記事をふくむカテゴリー [ 日本 ] もどうぞ。
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コメント

長野県辰野町のホタル移入問題、先の衆院選挙で辰野町を含む長野5区から出馬された5人の中から、少なくとも下記の3人には伝えられたはずです(本人まで届いたか不明、以下、敬称略、あいうえお順)

池田 幸代 (社民)
加藤学 (民主) 当選
宮下 一郎 (自民)

このうち、加藤、宮下両氏は、町の姿勢を見守るしかない、との考えらしい。
池田氏は、無回答(無視?)。

福島 瑞穂さん、どうなってるの?社民党も生物多様性基本法に賛成したはずだけど・・・・
加藤、宮下両氏も腰が引けてるのでは・・

繰り返しになりますが、全会一致で可決したこの法律では、国に対して、「過去に損なわれた生態系の再生その他の必要な措置を講ずる」(第十四条)こと、そして「事業活動に係る生物の多様性への配慮に関する情報の公開」(第十九条)も求めています。

そして、地方公共団体に対しても、「国の施策に準じた施策」を求めています(第二十七条)。
それでしたら、自分の選挙区の町に対しても、批判しなくても、少しはアドバイスしたらどうかと思いますが・・。

生物多様性基本法って意味ない・・・かな?
環境問題に取り組んでいます、って政党のポーズかな?
こういうこと地元で熱心に訴えられない政治家って、どうなんだろう?
posted by http://blogs.yahoo.co.jp/kumagera2009/11 at 2010-01-16 23:28:51

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