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2005年11月28日

清流信仰の誤解

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ご当地エクスプローラ カテゴリー : そのほか ]

環境gooの、「川の多様性って何だろう。」というインタビュー記事より引用。

「川の多様性を考えるとき、日本の川の多くの場所でアユがとれるようになったことは、見過ごすことのできない問題なんです。アユはもともと南方系の魚で、ツバキやお茶の花の咲く照葉樹林の茂る、明るくて水温の比較的高い川を好む性質がある。だから、ヤマメ、イワナ、アマゴなどサケ科の魚がいる、水温が冷たくて暗い渓流にはもともとすんでいなかった。ところが、川の源流に近い、それまでイワナなどの生息地だった山地渓流が、道路の拡張工事や護岸の改修工事で広く明るくなると、アユの生息地域に変わってしまい、サケ科の魚はすむことができなくなる。


そしてまた、日本人はアユ釣りという文化が好きで、アユを放流して、アユを家畜化してしまった。アユ釣りの人口は年々増え続け、放流されるアユの数も増えつづけたわけね。アユが生息するということは、その川に魚が生息しているということで、自然保護をしているような気持ちになってしまうのね。
アユの川、サケの川、ホタルの川というように特殊な生物にスポットを当てた自然保護は分かりやすく、一般受けするけれど、特定の種の移入、養殖は、しばしば河川環境を著しく変化させてしまう。アユの過激な放流で在来の魚をすっかりなくしてしまうようなこともおこるわけなんです」
さらに引用を続ける。
「世界の川は、褐色(赤)、黒、白、透明の4色に大別されます。私は、調査を続けているうちに、世界の川をBODやCODの水質で区分することに疑問を感じてしまったのです。日本の川の常識では、濁った川、黒い川、汚れた川は生物相が貧弱というイメージを持ってしまう。けれども、それは日本の川の文化から見た価値観であって、世界の淡水魚の大部分は、褐色や黒い川に生息し、濁りや汚れに強い魚であることが分かってきたんです。
水質だけにこだわることによって、かえって魚や生物がすみにくい川づくりをしてしまう危険性が、日本にはあるんですね」
深く考えさせられた。たしかに、いまの日本の川はアユだらけの清流ばやり。昔はどうだったのか、わからないけど。シンプルに自然を捉えたがるのは、自然との距離が離れていて、僕らのイマジネーションが地に着いていないことの裏返し。それだけ、僕らを取り囲む自然環境がプアになっているということなのだろう。

もっとも、僕(いま40歳)の原体験なんて、高度経済成長時代の最悪の自然でしかないわけで、あのころはどうだったとか語る意味はあまりない気がする。再発見しないといけないんだな、たぶん。

インタビューに答えているのは、当時、大阪産業大学教授の森下郁子氏。「2004年度をもって退任されました。」ということらしいのだけど、いまはどこにいらっしゃるのだろうか。



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