| 取扱説明書 | 吉見直人(管理人) | お便り | Nucleus CMS Japan |

2005年07月25日

えっ、海が嫌い?

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ご当地エクスプローラ カテゴリー : 日本の四季 ]

海なし県埼玉に住んでいながら、ぼくは海が好き。理由は自分でもわからないけど、父の実家が海に近いところにあったりとか、幼少時の記憶が関係してるかもしれない。

ところがですよ、こないだ、うちの子どものうち、自己主張のはっきりしている一番の頑固者がひとりいるのですが、「海キライ」とはっきり言われてしまった。

え…!

どうやら、しょっぱい海水が第一に嫌いらしい。波打ち際で波にやられたことも一度や二度ではないし、そういうのも関係してるかもしれない。とにかくプールが大好き。まー遊びのバリエーション的には、たしかにプールのが楽しいかもしれないけど…。

海には海でしか味わえないものがあると思うんだけどなあ…。

以下、海水浴場全集のコンセプトとして、1999年に書いたものです。このように、海に寄せるぼくの気持ちにはかなり強いものがあるんですけど…遺伝しなかったみたい。

夏!といえば海!海!といえば海水浴場!

花火やスイカやかき氷とならんで日本の夏に欠かせないのが、海水浴場。海水の浴場とは何ともアナクロなネーミングだが、それがいい。僕にとっては、アルミの丸テーブルに枝豆や焼きとり、なんかよくわからないバンドの生演奏という昔ながらの屋上ビアガーデンと同じ意味を持っている。

僕らの少年時代と同様、今の子どもたちも海水浴場が大好きだ。(海なし県で育ったうちの息子は近所のプールや河原のが好きだが)イマドキの若者もまた、ウハウハなことに夢中だった僕らの若者時代と同様、海水浴場が大好きだ。そう、海水浴場はみんなのものだ。海洋汚染に負けるな!オゾン層に負けるな!僕らは毎年、夏休みには海水浴場に行き、肌を焼き、波とたわむれるのだ。

海水浴場よ、永遠なれ!(と、ここで一呼吸おいて)

海水浴場。なんてファンキーで、不思議な場所。だって、みんなほとんど裸同然の不埒な格好をしながら、誰もモラルを責められず、堂々と、しかもうじゃうじゃ、でもどこか整然とした暗黙のルールがあるみたいな。

潮風や海水で体はベトベト、髪はガチガチ、砂浜はアッチッチ、海の家はボロ家、快適とはほど遠い世界にわざわざ出かける、海水浴場。でも、みんなが笑ってる。うれしそうに楽しそうに笑ってる。波が来て、ぴょんと跳ねる。ざぶんと波に飲みこまれる。次の瞬間には笑ってる。男に目がない若い女も、女に目がない若い男も、子どもも、お父さんもお母さんも、孫の相手をしているじいさんばあさんも、同じ空間でみんな笑ってる。

僕は子どもの頃、愛知県蒲郡市の大島で海水浴をしていました。磯くさい海水浴場でした。学生になって東京に出てきて、バイクやクルマを乗り回して、当時の「浜」とか「海」はたいてい、真っ暗でした。真夜中にクルマで乗り込んだ館山の海水浴場、暗くてどこだかわかんなかった御宿。クリスマスイブの夜に通りかかった湘南では、海ぞいの道を、上半身裸の男どもを荷台に乗せた真っ赤なトラックが走っていました。

ある夏、友人らとバイクで伊豆に行きました。今井浜のサンエブリーの前で夜に待ち合わせて、河津浜の松の木の下で野宿して、翌日には白浜に行きました。空が青くて海がきれいで、波が寄せてて、賑わってて、水着ねえちゃんもふんだんにいて、ああなんて平和で楽しくて素敵な世界なんだろうと思いました。海パンも持ってなかったので買って、一日ずうっと浜で過ごしました。

子どもが生まれて、海を見せに行きました。10月の九十九里で、寒くて風がぴゅうぴゅう吹いていました。「ほら、これが海だよ」と言っても当時確かまだ1歳の子どもがわかるわけもなく、そのへんに落ちてた木ぎれで遊んでました。

ホームページを作り出してしばらくして、ある日、たしか冬のことだったと思いますが、なんだか夏が恋しくなりました。僕は夏が大好きです。短く、おバカな、暑さで頭がショートしちまったような夏が、1年のうちで大好きです。「海水浴場」のキーワードで検索してみました。あんまりありません。どっかの海水浴場の案内とかで、海の家がいくつとか、駐車場の収容台数だとか、忘れましたがまあそんなのばかりです。そんなんじゃないんだけどなあ。なんかこう、海だああ〜、海水浴場だああ〜、って、そんな気分のやつ、ないかなあ。…それで「海水浴場全集--バーチャル・オン・ザ・ビーチ」というページを作りました。

海水浴場のガイドブックを何冊も持っていますが、それらのガイドブックに僕は不満でした。だって、数はいっぱい載ってるけど、ほめてばっかりで、どこがいいのか全然わからん。そんなにグッドな海水浴場がいっぱいあるなんて、あるわけないじゃん。知りたいのは、「結局どんな浜なわけ?」。海の家の数なんてどうでもいい。どんな客層(女の子はかわいい?)、どんな海(きれい?)、どんな浜(白い?磯臭くない?)、そんな雰囲気がわかりゃ、あとのことはなんだって、行く。でしょ?それは行けばわかる。ここはコギャル系ばっかだとか、海はきれいだけどいきなり深くなるとか。ガイドブックじゃ、全然わからん。なんか借りてきたネコみたいな、おすましの絵はがき写真が1枚あるだけ。

だから、真冬でも海水浴気分に浸れるというのに加えて、どんな浜なのか、あるがまま・ありのままにわかるようなものにしたいと思いました。

それから、「ナマっぽい」って感じ。絵はがきに使えそうな、静かで美しいプライベートビーチ風の絵って、好きじゃないんです。あくまで僕が好きなのは、海水浴場。この時代に「海水」の「浴場」。スタイル抜群のおねえさんもいるけど、薄い胸板の青っちい少年もいるし、腹のどっぷり出たおっさんもいる。そのごちゃごちゃっとしたリアルな肉感が風景の中で展開している感じ。テレビとかガイドブックではきれいなもんしか映さないけど、現実の海水浴場の絵はもっとリアルで、厚みがある。それが僕は好きです。

僕はリアルな映像が好きです。従来の撮影常識では、「きれいなものはより美しく、きたないものはなるべくきれいにor撮らない」だと思います。でも僕は、きれいな映像はあんまり見たくないのです。そういう映像にはすっかり飽きているのです。だってウソなんだもん(うわあきれいな海だなあと思いこんで行ってみたらずいぶんと薄汚れた海だった、がっかり、とか)。撮りたいのはあるがまま、そのまんまの映像。映像を見た人が現地に行って、映像のまんまの風景が広がってるような、そんな映像。かつて学生だった頃、マスコミ論の教授が「あるがまんまの映像というのは例えば屋上にすえつけたカメラがただ延々と回り続けているようなもの。マスコミは必ず現実を編集するから、あるがまんまなどはありえない」と言っていましたが、その教授が「ありえない」と言ったことに近いことを僕はしたいのです。編集しつつも、そのまんまという映像を。汚くても、あたかもそこにいるかのような生々しい映像の世界を。

で、こんな映像を撮りました。このまんま、あるがまんまの海水浴場の姿です。行ったことある人は思い出してうなずいてくれるでしょうし、行ったことない人は、どう思いますか?

世界中の人が見たらどう思うだろう。日本人って意外とおバカで開放的で楽しいやつなんだと思うだろうか。それとも何もバカンスまで満員電車なみの混雑の中で過ごさなくてもと思うだろうか。だいたい海水浴ってどこの国民がやってるんだろうか。

僕は世界中の「海水浴場」の風景を撮りたいと思っています。

⇒この記事をふくむカテゴリー [ 日本の四季 ] もどうぞ。
at 12:08:16 | この記事のURL |


トラックバック

このアイテムのトラックバックURL:
http://fratdrive.net/locality/item_490.trackback

このエントリにトラックバックはありません
もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。

コメント

コメントはありません

コメント記入



プレビュー

ブログ内新着記事

佐久山御殿山もみじ祭2011 - [ f ]ご当地エクスプローラ
利根川サイクリングロードで変わった自転車おじさん…? - [ f ]ご当地エクスプローラ
とろろ汁の丁子屋がブランド再構築中につき… - [ f ]ご当地エクスプローラ
雨にも負けず「八木橋」ワイドスターマイン - 第60回熊谷花火大会 - [ f ]ご当地エクスプローラ
戦前から続く「ホタル番」から残念な新聞カメラマンまで、ホタル記事総まくり - [ f ]ご当地エクスプローラ