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2009年06月23日

かよわくも無邪気なホタルたちとシンクロした夜(新潟県上越市大島区仁上)

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ご当地エクスプローラ カテゴリー : 甲信越・中部 ]


(画像をクリックすると「ほたるの里 大島」ホームページにジャンプします)

先週末、ホタルを見に家族で新潟へ行ってきました。四方を山に囲まれた旧・大島村(いまは上越市大島区)で、地元の有志の方々がボランティアでやっている、ささやかな「ほたるまつり」です。

ホタルを見に、つまり「ホタル鑑賞」が目的だったのですが、いざフタを開けてみると「鑑賞」というよりもむしろホタルの庭でたくさんのホタルたちといっとき共に遊んだ、そんな感じの素晴らしい体験となりました:-P

夕闇がしだいに濃くなる中、家族みんなで目をこらしていましたら、待望の一番ボタルが光り始めたのは19時45分頃。林の暗い茂みの中で、「ポッ」とかすかに灯り始めたホタルの光を、うちの小学生が発見。しばらくすると、見渡せばあっちにもこっちにも、暗闇のなかを浮かぶホタルの光があって、まるでホタルに包囲されてしまったみたいでした(…とはいえ、押しかけた人間のほうが多かったかもしれませんけど(^o^;)。

葉っぱにとまって光るメスに、次々と「ヘイ、彼女〜」とチャレンジしていくホタルのオスたち(←推定)。ふと顔を上げるとすぐそこでふわふわしているホタルの光。ぼくの顔をめがけて何気に近づいてくる光に、「わわわ来た〜」とびっくりして避けたことも。そうそう、低い葉っぱの裏に一匹のホタルがいたんですが、葉っぱを揺すったら地面にポトリと落ちてしまい、誰かに踏まれたらかわいそうなのでしばらく見守っていたこともありました。そいつはしばらく地面の藁の中でじっとしてたあと、ふつーにひらひらと飛んでいってしまいました。…光ったまま死んだふりをしていたんでしょうか:ase:

会場のあちらこちらでうれしそうな歓声が聞こえます。「ほら、あそこ!」と言われて見上げると、木のてっぺんあたりを気持ちよく漂うようにして高く舞うホタルが何匹もいて、ホタルってあんなに高く飛ぶんだなーと、しばし見とれていました。以前に聞いた話では、ここのホタルは数はさほどではないものの、高く飛んで見ごたえがあると言われているのだそうです。その意味がやっとわかりました。

かよわく…と記事の題名に書きましたけど、こうしてホタルに囲まれていたぼくの目には、なんというか…ホタルはクララではなくハイジでした(←アルプスの少女)。ホタルはみな、のびやかで、楽しそうでした。ま、求愛の現場いわゆる合コン会場みたいなもんですから、そりゃ楽しいでしょうけど。ぼくら人間が「うわあ!」とか声をあげてもあまり関係ないようで、とくに警戒する風でもなく、ただただ無邪気に光って、飛んで、ツルんで、ダベって(?)ました。たしか数匹でシンクロして光っているのも見たなあ〜。

地元の方によるここのホタルの保護活動は「自生」(=すなわち野生)にこだわっていて、養殖や放流などは一切していないのだそうです。もとは棚田だった場所をほたる公園として整備するために行政の手を借りたものの、そこに生きるホタルは100%の天然もの。だからでしょうか、ホタルたちは自分たちの場所をよくわかっているというか、マイホームに帰ったオヤジのように(?)自分のテリトリー内で安心して好き勝手にやっている、そんな様子が感じられました。ピークは数日前だったということでしたが、僕らにしてみれば充分すぎるほど、ホタルと楽しくたわむれたひとときでした:heart:

会場にはボランティアでガイドをつとめる「ほたる保護指導員」の方がいて、水路に光る幼虫も見せていただきました。ここ、ほたる公園で幼虫の光が見られるようになったのは今年からのようですね。この「仁上ほたるまつり」は今年で13年目。地元の有志の方々による「大島ほたるの会」の皆さんの地道な努力が着実に成果を上げている証拠といえるのではないでしょうか。地元の宝である豊かな環境と、そこで生きるホタルを通じて、地元に何がしかの還元があり、同時にそれがホタル保護にもつながるという好循環でまわっていけばいいなと思います。

1年前、「大島便り」という掲示板にほたる保護指導員の方がこんなことを書いていました。
いつも通る道で足を止め、脇にある水路や田を見ると、そこには無数のホタルがいました。
昨晩は、そんなホタルを見ながらジョギングしました。
そういう環境が、ここ大島には残っています。
ほたるまつりの会場以外でも、ここ大島区のどこでもホタルは普通に見られるのだそうです。かつて日本の農村で当たり前だった、ヒトとホタルの共生が、ここでは生きつづけているということなのでしょう。でも、放っといてもホタルが飛んでた時代は過去のこと。人工光が夜を覆い尽くした現代日本においては、土地の方々の支えなしにホタルが生きていけるとは思えません。その意味で、ホタルは地元の方々のものだとぼくは思います。美しい景観や、そこで獲れるおいしいお米と同じように、地元の方々が大切に育てているものだと。ぼくたちはただそこにお邪魔してホタルとのひとときをおすそ分けしていただく立場に過ぎず、地元の方々へのリスペクトを忘れてはいけないと思うのです。

ぼくら家族が埼玉から来たことを伝えると、「わざわざ埼玉からお越しいただいて」と、ほたる保護指導員の方にはたいそう喜んでいただきました。それはぼくらにとってもとてもうれしいことでしたが、謝意を表しなければならないのはむしろこちらのほうです。

この地に暮らし、この豊かな自然環境を守り、ボランティアでホタルのための環境を整備し、こうして僕たちに色々なことを教えていただいた皆さんに、ここで改めて心から感謝します。家族ともどもたいへん貴重な体験をさせていただき、ほんとうにありがとうございました。そして、今後ますます、この環境がさらに豊かなものとなり、ホタルと地元の方々にいっそうの幸せをもたらすことを、願ってやみません。

1時間ほどのホタルとのふれあいを堪能させていただいたあと、ほたる橋では大島産のお米を使った地酒「蛍の舞」を買って帰りました。飲んでみたらまさに「蛍の舞」を思わせるやさしい味わいで、とてもおいしかったですv(^-^)v。

このように、とても楽しいひとときだったのですが、残念だったことがあります。それは「光害」です。何度となく、懐中電灯の光やカメラのストロボ(フラッシュ)に、ホタルとのふれあいタイムを邪魔されてしまったことか。こうした会場では不可避であろう、マナーの悪い鑑賞者を「心ない」の一言で片付けてしまうと思考停止してしまうので、ここではちゃんと考えてみることにします(ちなみに、この会場では写真撮影は禁止となっています)。

懐中電灯で真っ暗な公園を照らしてみる…懐中電灯を持っている人にとってはごく自然で、悪意もないのだろうと思います。でも一方で、公園の隅っこ、うっそうとした林との境目あたりでホタルとたわむれていた僕らにとって、一番ボタルの頃からずっとそこにいて、暗闇にすっかり目が慣れていた僕らにとっては、こちらを照らす人工光はものすごく眩しく、不快に感じられたのも間違いなく事実です。ほとんど「光の暴力」といってもいいぐらいな眩しさで、それはおそらくホタルにとっても同様に不快なものだったはずです。ちなみに公園内にはトイレもあるのですが、トイレの中の照明も明るすぎるぐらいで、早くドアを閉めてくれないかなーと思ったほどです。

ぼくはあまりに気に障ったので、いちど、「ライト、やめてください!」と声を荒げて叫んでしまいました。言われたほうは「なんだよー」と不快に思ったかもしれませんが、こちらの心境もどうか察してください。おそらく…時間的に判断すると、見ごろの時間にあわせて8時すぎからやってきた方が、真っ暗な会場の様子を知ろうと思って懐中電灯で照らしたりしたのでしょう。気持ちはわからなくはないです。ぼくだって懐中電灯を持ってきていたし、そもそも暗闇でライトをつけないなんて現代社会ではありえないですから。でも…。
星空を観賞する時もそうですが、周りに余計な明かりがあるとせっかくの光が見えません。ほたるを観賞するときも電灯などを持たずに、静かに観賞しましょう。本当に間近で見ることができます。
[ 暗闇で静かに観賞しましょう - ほたる雑学事典 ]
暗闇に慣れた目にとって、懐中電灯の明かりがどれだけ眩しくて、ホタルの光を見るのを邪魔することか。反対に、会場から駐車場に戻る帰路、車のライトをなんて眩しく感じたことか。。。:*o*:

ホタルの鑑賞は、できれば早めに夕食をすませて、日没前から来ていただけるといいなあと思います。一番ボタルを見に。「蛍の鑑賞は、この時間帯がもっとも美しい」と書いているプロのカメラマンもいます。ちなみに、ぼくらが仁上ほたるまつりに行ったのは先週土曜日の6月20日。この日の新潟の日の入りは19時09分。日の入り時刻から約30分は戸外作業にさしつかえない程度の明るさの残る「常用薄明」ですので、19時半ごろまでに会場に入れば、懐中電灯を使わなくても済みますし、一番ボタルもばっちり見られると思います。

ただし、多くの鑑賞者の名誉のために書き添えておきますと、会場内のマナーは比較的良かったのではないかと思います。たぶん、これが都心に近い環境だったら、ほぼ壊滅的な状況になっているのではないでしょうか。上越市内や近郊からいらしている方が多いようでしたし(…たぶん地元の子だと思いますが、暗闇のなかでベンチに座って普通に会話してる高校生カップルとかいましたね、あれには感心!)。

公園から帰る下り道、前を歩くご家族は、娘さんが年配のお母さんの足元を弱い照明で照らしていました。そういうのはまったく問題ではないのです。最低限の人工光であれば、いっこうにかまわないと思うのです。そうではなくて、のびやかに飛翔するホタルを守るために、むやみに人工光をあてる行為を、ぜひともやめていただきたいのです。

その行為の多くは無知によるものでしょう。おそらく公園の中を懐中電灯で照らしても、地形とそこに立つぼくら以外には何も見えないはずだし、その人工光がどれだけ強いものか、どれだけ他の鑑賞者やホタルの迷惑になるかを知らない。…でも、無知がときに暴力になることを知ってほしいと思います。

消費者であるぼくらは、ふだん無知を責められることはありません。責められるのは商品やサービスを提供する側だし、むしろ(いまのエコブームも含めて)消費者の無知につけこんで売り上げを伸ばすという側面もあるかもしれません。でも、たぶん、ホタルにとっては無知がまさに暴力になるのだと思います。

ぼくらは幼少期、ホタルについて一種の「成功体験」ともいうべき過去を持っています。愛知県の片田舎で生まれ育ったぼくも例外ではなく、小学生の頃は近くのバス停の横でホタル「狩り」の経験があります。文字通り、ホタルを追っかけて捕まえてました。でも…あれはあくまで「放置プレイでも豊かな自然」が前提なのであって、いまとは時代が違います。人間側の努力なしではホタルは生きられない。そして、その努力の賜物として今、ホタルの乱舞が見られるのだと思います。そしてそれを、ぼくらの経験とは違う成功体験として、次の世代に残していく義務があるんじゃないかと思います。

ここで、ホタル鑑賞上の注意点をぼくなりに整理してみます。

1.虫よけスプレーはしないでください。長袖を着てください。…すこし考えればわかると思いますが、ホタルは蚊と同じ虫ですから。かわりに虫さされの薬を持っていきましょう。

2.ホタルの飛ぶ会場では、懐中電灯は使わないでください。もし使う場合でも、不安な足元を必要最低限照らすだけにしてください。ケータイの液晶画面も相当明るいので、できれば電源を切るか、カバンにしまったままにしてください。

3.お子さんには、ホタルをつかまえないように言ってあげてもらえないでしょうか。ここ「仁上ほたるまつり」ではホタルの捕獲はとくに禁止していないみたいですが、「たくさんの人間に何度も触られた捕まえられたホタルは短命」とも聞きます。地元の方々が大切にしているホタルです。ホタルは捕まえるものではなく、見るものなんだと伝えていただけないでしょうか。少なくともここのホタルは人間をあまり警戒してないので、ぼくら鑑賞者が「光った!」「あっちだこっちだ!」と大騒ぎしててもとくに気にする風でもなく逆に寄ってきたりしますから、幼児の手で簡単に叩き落せてしまいます。じっさい、振り回した幼児の手がものの見事にヒットして、地面に叩き落されてしまったかわいそうなホタルを目の前で見ました。あちゃー=:[

4.もちろんのことですが、つかまえたホタルを家に持ち帰るなんて言語道断です。
仁上集落の方をはじめとした地元の多くの人たちの努力によって、その環境が維持されています。当たり前のことですが、ホタルを採って家に持ち帰ることはしないで下さい。
[ ホタルを採らないで下さい - ほたるの里 大島 ]
丹精に育てた花畑を無残に踏みにじられたら、誰だって悲しくなりますよね。花畑=ホタル、と読みかえてみてください。ホタルと、ホタルを支える地元の方々のために、知ってください。そして、できれば伝えてください。

それから…ここ「仁上ほたるまつり」のことは書いてもらってかまわないのですが、「隠れたホタルスポット!」みたいなホタル生息地情報は、ネットに絶対に書かないでください。
現在ホタル取材のまっただ中です。でも具体的にどこのホタルを撮影しているかは申し訳ありませんが書けません。ホタルの生息地情報は地元の保護活動がそれをよしとしている場所(先日の吹田市のように、都市部のホタルは多くの近隣住民に知られることによって開発から守られる可能性が高まります)以外では、インターネットや書籍などで公開しない方が良いからです。
インターネットでヒットするホタルの生息地は、もうホタルをのんびり見れる場所ではありません。都市部の昼間の渋滞と同じような光景が夜起こります。
ホタルの生息地情報はインターネットや雑誌ではなく、面と向かった個人と個人の間で伝えられていくのが良いかと思います。この人にだったらあのホタルを見てもらいたい、そのような人にだけ伝えていけばいいのです。
[ ホタルの生息地情報 - 小原玲(動物写真家)のブログ ]
ホタル鑑賞ならまだましなほうで、乱獲にやってくる許しがたい連中もいるようですから!

次に、ホタルの撮影について。

「仁上ほたるまつり」会場では写真撮影は禁止となっていますが、それでも、一眼レフから携帯電話まで、ストロボを光らせて撮影している方が少なからずいました。
写真はよほど技術がないと無理です。フラッシュはホタルと回りの人の迷惑になるだけですから、自分の眼で楽しみましょう。
[ これだけは守ってね! - ほたるの里 大島 ]
…とある通りです。ストロボを使って何を撮ろうとしたのかわかりませんが、少なくともろくな写真は何も撮れません(撮れてないですよね?)。マナー以前、たんなる未熟な撮影者です。撮影テクニックについては、「ホタル撮影マニュアル」などを参考に、もういちど考え直してみてください:x:

ひとり、会場の隅でライトを点滅させ、ホタルをおびきよせて撮っている中年以上の男性がいて、その方には強く注意させていただきました。注意したらおとなしくカメラをしまったということは、自分がやっていることは悪いことだという認識があったのでしょう。…彼は一眼レフを持っていましたが、三脚も使わないでいったい何を撮ろうとしたんでしょう?まったく理解できません。
車のハザードやウインカーなど、人工的に点滅するものにほたるが寄ってくると言う話を聞いたことがあると思います。実はほたるに一番よくないことなのです。ハザードなどに寄り付いたほたるは自分の巣に戻れずに死んでしまいます。
[ ほたる雑学事典 - ほたるの里 大島 ]
くれぐれも、車のハザードやウインカーなど、人工的に点滅する大きな光で、ホタルを寄せ付ける行為は、おやめください。ハザードなどに寄り付いたホタルは、本来生息するエリアに帰る事ができず、死んでしまいます。よって、ホタルを殺すという行為にあたります。
[ 大島便り ]
実はぼくも背負ったリュックサックの中にカメラを持っていました。ビデオカメラの赤外線ライトを使って、ホタルの乱舞動画が撮れるかなと思ったのです。でも結局、カメラを取り出しもしませんでした。このままホタルに包まれる体験を味わったほうがずっと楽しいと思ったので。

あと、ほたる保護指導員の方が「ここは撮影禁止ですよ」と注意しても、「ライトは使わないから」とその前を素通りしたカメラマンがいました。たしかに彼らはライトを使いませんでした。水路の傍らに三脚を立て、暗闇のなかをじっと立っていた。上記のような無知で未熟な人たちと比べると、ずっといいとは思う。でも。「おれたち迷惑かけてないし勝手じゃん」的な、地元の方々へのリスペクトもない態度はいただけません。「いい絵さえ撮れればいい」という(一部の)プロカメラマンに由来するエゴのコピーなのかもしれませんが、嫌われるカメラマンになるのはやめてください。視線にも重力の法則があって、写真を撮るという行為は対象を征服するに等しい快楽があるのだけど、だからこそ、撮る側にはモラルやマナーを強く意識していただきたい:-(

で。できれば撮影は他所でやっていただけないでしょうか。ほたるまつりの会場以外でも撮れる場所はいくらでもあるのですから。たとえば『蛍を見に行く 蛍の名所ベスト28』(2004年、宮嶋康彦)では
ほたる祭りの会場となっている場所を避けて、田園の真ん中を流れる小川で撮影することにした。
と、情緒のある写真が掲載されています。

がんばって、こんな写真を撮ってみてください:heart:

d070803041
Originally uploaded by araget
(これは広島県北広島町で撮影された写真のようです。Flickrでホタル画像を探したのですが、良い写真がなかなか見つかりません。それだけ難しいということでしょうか)

最後に。
「仁上ほたるまつり」を運営する大島ほたるの会の皆さんに、3つの提案をさせていただきます。

1.拡声器を持った方を会場にひとり置いて、撮影や無用な人工光などについて、拡声器で注意を呼びかけていただけないでしょうか。ぼくら日本人は同調圧力が強いので、注意された本人に対してはもちろん、その周囲に対しても予防効果が期待できると思います(同調圧力が逆に作用してしまうと、「みんなやってるからいいじゃねーか!」となってしまいますが(^_^;)。ぼくは我慢できずに声を張りあげてしまいましたが、こんなことやってると鑑賞者同士の武力闘争(?)に発展しないとも限りません。ボランティアの方々にとっては気の重いことだとは思いますが、まあ、夏にプールの監視員が「危ないですから飛び込まないでくださ〜い」と注意してるような感じで。ホタルは音声にあまり反応しないみたいですし。
(追記:前橋市田口町の「ホタルの里」では「注意事項を放送するなどしている」ということです)

2.ホタル鑑賞の注意点を短くまとめた1枚のチラシを配布してはいかがでしょうか。来場したときだと暗くて読めないし、「どれどれ」と懐中電灯を取り出しては逆効果なので、皆さんが帰るときに。家に帰ってから読んでもらい、次の来場につなげられたら、リピーター対策としても有効だと思います:wink:

3.多くの方が一番ボタルを見にくるように呼びかけたらいかがでしょう。ぼくら家族がほたる公園に着いたのは19時頃、まだまだ周囲が明るい時間でした。そこから暗闇に目を慣らしていったので、結果的に懐中電灯も使わずに済みました。皆さんが同じように明るい頃から来場するようになれば、懐中電灯の使用がぐっと減るのではないかと思います。「先着○名の方にプレゼントを用意!」とイベント的に呼びかけてもいいかと思います。

いずれも予算のない中での実施は難しいかもしれませんが、どうかご検討をよろしくお願いします。

また、これを読まれたテレビをはじめメディア業界の方、メディアとしてできることをしていきませんか?ぼくもメディアの「中の人」のひとりとして、できることをしていきたいと思っています。ホタルについては多少ですが過去に調べた蓄積があり、ご連絡をいただければ、いくばくかの情報提供も可能です。

(追記)
東京は刺激に満ちてるだの田舎は情報量が乏しく退屈だのと言われますが、ほんとにそうでしょうか。あの暗闇でホタルの飛翔を間近で見る以上にエキサイティングなことが、都会で起きてるんでしょうか。都会に都心に東京に、消費者としての役割限定的な感動以上の何があるというのでしょうか。…あのホタルの舞いを間近で見たあとでは、そんなことも呟かずにはいられなかったりします。

以下はホタルについての参考情報です。興味のある方はお読みください。
※追記:続けて書いた「戦前から続く「ホタル番」から残念な新聞カメラマンまで、ホタル記事総まくり」もぜひお読みください。

■高く飛ぶホタルについて

動物写真家の小原玲さんという方がブログでこう書いています。
人口の光が一切ない場所で、ホタルが星に向かうかのように高く飛ぶのを知っている者としては、街灯や車のヘッドライトが次々あたる場所のホタルの飛び方が異常なのが判ります。全然高く飛ばないのです。そんなホタルはいくら数が多くても、見ていて悲しくなります。ホタルが高く飛ばないので、写真を撮っても光の軌跡が奇麗でありません。
こちらではこうも書いています。
ホタルは暗い闇が好きな虫なので、どんな人工の明かりも嫌います。人工の光がない場所のホタルは高々と生き生きと飛びます。星に向かって飛ぶかなようで、星が垂れるからホタルの語源そのものです。そんな高く飛ぶホタルこそ私は伝え残したいと思っています。特に車のヘッドライトは大敵です。ホタル鑑賞に来る方の車のヘッドライトがホタルを脅かしている光景をどこでも見ます。せめて行き道だけでも車のライトをつけずに済むように、日没前に現地に向かって欲しい。またホタルを見に来る観察者のための照明をつけないでもらいたい。
■光害について
ホタルを鑑賞する人々の間に、次のような光景をよく見かけます。
1.生息地の側まで車で行き、ライトを付けたりハザードランプをつける。
2.ホタルに向けて懐中電灯を照らす。
3.フラッシュを焚いて写真撮影をする。
4.ゴミを捨てる。
等々
1〜3は、ホタルに直接的にしかも即座に悪影響を与えてしまいます。長期的にみれば絶滅させてしまう危険性すらあるのです。車のライトや懐中電灯を点滅させるとホタルが寄ってくると思われている方がいらっしゃいます。あるマス・メディアがホタル鑑賞にこうした行為を推奨していたことがありますが、これは大きな誤解です。なぜなら、ホタルは雌雄を発光によって確認しているために、暗闇が必要不可欠であり、彼ら以外の光、特に人工的に明滅させたものは、彼らの配偶行動を混乱させてしまうことになるのです。ホタルは月明かりでさえも嫌うのです。防犯上設置された街灯も含め、これら人工照明はホタルにとって「光害」と呼ばれ、ホタル減少の原因の1つになっているのです。ある町が「ホタルまつり」を行う際に、小川のまわりに提灯に火を灯してたくさん並べました。一見、とても風情のある光景ですが、数年後にホタルは絶滅してしまったという例もあります。
(中略)
4については、いうまでもありませんが、自然環境を悪化させることになるでしょう。川に沈むビニール袋や空き缶を見るたびに悲しくなります。私たちの生活様式がどんなに変化しても、ホタルは昔のままのスタイルで生きているということを忘れてはなりません。
『ホタル百科』(2004年、東京ゲンジボタル研究所)
蛍光灯、白熱電球なども、月明かり同様にホタルが感受する波長を含んでおり、直射光はもちろん反射光でもホタルの発光活動を抑制してしまう。月明かりは0.2luxしかないが、街灯などは何百luxもあり、夜間でも四六時中、しかもホタルから比較的至近距離で広範囲を照らしている。また、夜行性であるホタルは、明るければ複眼の色素細胞によってレンズが絞られるが、人工照明によって夜になっても明るければ、その明るさによってはいつまでもレンズは絞られたままかもしれない。更には、ホタルの体内時計は光によって抑制されることが判っている。一日中明るければ機能しなくなってしまう。つまり、発光はおろか、水をなめる行動以外は出来なくなってしまうのである。また、蛹になるために上陸する幼虫にも影響を及ぼし、0.1lxの人工照明でも上陸を阻害してしまう。もし、人口照明が生息地にあれば、致命的と言わざるを得ない。人工照明は「光害−ひかりがい」といわれ、ホタルの生息に大きな影響を与えてしまう。
光害は、夜間に四六時中明かりを照らす街灯だけではない。鑑賞者が持ち込んでホタルに向けて照らす懐中電灯や車のハザードランプもホタルに悪影響を及ぼす。これらの行為は誘蛾灯に等しい。誘蛾灯とは、照明を使って昆虫を集め,捕獲して殺してしまう器材である。青色蛍光灯の前面に高圧電流を流した金属格子をめぐらせ,飛来した昆虫を放電して殺す「電撃殺虫機」や、青色蛍光灯の近くに粘着物質を塗布したシートやテープを設置して集まった昆虫をからめ取る「粘着式ライトトラップ」などいろいろなタイプのものが市販されている。ホタルを殺すことが目的ではないにしても、光コミュニケーションの撹乱・妨害には十分役立っている。
(中略)人々の手には、懐中電灯が握られ、時折カメラのフラッシュが瞬く。人々はホタル鑑賞のために訪れるが、これらの行為による「光害」によってホタルが絶滅した場所は、全国的にたいへん多い。
[ ホタルに及ぼす人工照明の影響(光害)とその対策 - 東京ゲンジボタル研究所 ]
■ホタルの生育環境
ゲンジボタルは流れが安定して、かつ穏やかな環境を好みます。飼育されているもの以外北海道にはいません。川の一方が山、もう一方が道路、水田、畑など、人里に多く出現します。
一方のヘイケボタルは、水田、灌漑用水路、ため池、湿原などをすみかにしています。北海道の釧路湿原でも幅広い生息が観測されています。
『親子で楽しむ ホタルが先生 ぼくらの環境学校』(1997年、大場信義、日本ほたるの会)
ヘイケボタル
水田を主な生育場所としています。ゲンジボタルの幼虫が流れを好むのに対して、ヘイケボタルの幼虫は流れを好まないのです。しかし里山においては、両種が生息している所も少なくありません。
成虫の発生は、東京付近では7月中旬から8月上旬が最盛期となりますが、早くは6月上旬から遅くは8月中旬まで見ることができます。ゲンジボタルのように特定の場所に短期間に発生するのではなく、単位面積の発生密度も低く水田の広い範囲にわたって、しかも長期間に発生するという特徴があります。
『ホタル百科』(2004年、東京ゲンジボタル研究所)
■ホタルを見に行くベストの日時は?
ホタルは満月の夜には発光や飛び回ることが極端に少なくなる。
[ ホタルに及ぼす人工照明の影響(光害)とその対策 - 東京ゲンジボタル研究所 ]
と言われています。ホタルの光の明るさが月の光に負けてしまって見づらいということもあるかもしれません。「満月は半月よりも9倍明るい」とも聞きますし、月出没時刻・方位角計算のページであらかじめて調べて予定を立てるといいかもしれません。ちなみにぼくが行った6月20日は月明かりはありませんでしたv(^-^)v。

気象条件についてはこちらを参考にしてみてください。
発光行動は、曇りで風のない蒸し暑い夜がもっとも多く見られます。小雨でもほとんど変わりなく見られますが、大雨や、晴れていても月が出ている明るい夜、あるいは気温が17度以下であったり、風が強い夜は見ることができません。ホタルの発生期間はおよそ一ヶ月ですが、こうした条件を考えるとその期間中に彼らが沢山飛び交う日はそう多くないと言えます。発光活動が繁殖につながるわけですから、鑑賞する我々人間は決して彼らの邪魔をしないように心がける必要があります。
ホタルの鑑賞は20時から21時頃までが一番良いと思いますが、できることならば日没前の明るいうちから行かれることを望みます。まずは、ホタルがどのような環境に生息しているのかをよく見ていただきたいのです。そして、日が暮れていき、1匹また1匹と光りだすホタルから観察していただきたいと思います。
[ ホタルの発光時間について - 東京ゲンジボタル研究所 ]
ちなみにホタル飛翔のピークは一晩に3回あります。
ホタルは飛ぶことが苦手なのですぐに疲れて休みます。そこで一晩中飛び回るのではなく、よく飛ぶ時間とあまり飛ばない時間ができます。これがホタル時計です。
夕暮れとともにぼちぼち飛びはじめ、午後8時〜9時が第1のピーク、次が11時ごろ、そして真夜中の1時〜2時ごろで、露が降りはじめると飛ぶのを止めて、夜明けとともに草かげに姿を消すのです。飛んでいないときは、草や木の葉に止まって淡い光を放ちながら休んでいます。また、毎晩時間が来ると飛ぶというわけではなく、月夜の晩や気温の低いとき、雨の晩などはおやすみです。しかし、なかなかこんな条件の整った夜はなく『乱舞』を見るチャンスはめったにありません。
[ 河合の宝「げんじぼたる」(3−3) ]
■関連記事(当サイト内):
生息できない過酷な環境にホタルを放つことが自然保護を考えるきっかけになるという理屈
戦前から続く「ホタル番」から残念な新聞カメラマンまで、ホタル記事総まくり
悪徳業者をはびこらせホタルを苦しめる新聞“無脳”記者
撮りたい驕り
幸せなホタルと、見世物のホタル
発生しないはずの場所でホタルが大発生する国ニッポン

■関連リンク:
新潟県上越市大島区の仁上ほたるまつり

■参考文献:

『蛍を見に行く 蛍の名所ベスト28』(2004年、宮嶋康彦)には、ここ仁上のホタルも紹介されています。
蛍の撮影地で朝を迎えることは珍しいことではない。しかし、大島村で目覚めたとき、近所の農家のご主人が温かい粽(ちまき)を持ってきてくれるという体験は初めてだった。


『ホタル百科』(2004年、東京ゲンジボタル研究所)は小冊子ですが、ホタルの生態や生育環境、保護活動の現状や全国ホタルマップまで、ホタルに関する情報が詰まった一冊です。


記述内容にもし間違っている点がありましたらご指摘ください。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

⇒この記事をふくむカテゴリー [ 甲信越・中部 ] もどうぞ。
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