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2009年01月06日

情報取材のプロが教える「名医の探し方」

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ふらっとどらいぶログ カテゴリー : メディアリサーチャー日記 ]

先日、身内から「名医を探してほしい」と頼まれました。具体的には「東海地方(というか三河地方とその周辺)で膀胱がんの名医を知りたい」というもの。2日ほどかけてざっと調べ、レポートにまとめました。

名医、というところで、通常のネット検索(=いわゆる「ぐぐる」)は回避。切込隊長の山本一郎氏が本に書いている通り、ネットには嘘が大量に含まれています。とりわけこういった、世の中の多くの人が関心を持ち、お金のからむ、主観(や工作)が混じりやすい、しかも裏をとりにくいネタの場合、ネット検索はほとんど無用と言ってもいいかと思います。特定の医者の評価を、真贋あわせて押さえておくといった場合とかならまだしも。

というわけで、プロの手を経てパブリッシュされた情報から、できるだけ信頼しうる最新情報を集めることにしました。

まず、週刊誌でよく名医ランキング的記事を見かける気がしたので、大宅文庫に行って雑誌記事を調べようかなと考えました。

が、その前に新刊本をひととおり洗っておこうと紀伊國屋書店で検索してみます(新刊はあるいはAmazonですが、紀伊國屋書店のほうが本の内容が詳しい)。すると、いろいろ出てきます。雑誌編集部がまとめたものもあります。なるほど、週刊誌記事よりも書籍のほうがオーソライズされてるっぽいので、雑誌記事はおいといて新刊書籍をあたることにしました。

でも、本屋で手当たり次第に買っていたのでは無駄が多いので、国立国会図書館でチェックして、必要部分をコピーすることにしました。国立国会図書館 NDL-OPACで事前に蔵書を確認、請求記号も控えておきます。

国会図書館に行ったら端末で請求記号を入力、3冊づつ請求してはチェックしてコピー。うち1冊は全般的に参考になりそうだったので本屋で購入することにしました。

次に紀伊國屋書店。蔵書数からは新宿本店がいいのですが、動きやすい新宿南店が好きなのでそちらに。紀伊國屋書店全国店舗案内で在庫検索ができます。控えておいた棚番号に直行。ねらった本を買うと同時に、同じ棚にある他の本もチェック。キーワード検索ではひっかからない本をレファレンスできるのが本屋のいいところ。参考になりそうな本があったので、いくつか購入。

…こうして「いちばん蔵書数の多い図書館」と「いちばん在庫数の多い本屋(たぶん)」で関連書籍にあたることで、書籍化された(=オーソライズされた、と考えてもいい)主だった情報にはほぼアクセスできたことになります。あとは入手資料を持ち帰って内容をチェック、ネット検索でピンポイントの補足取材をして、以下のようなレポートに整理しました(一部を公開用に改変しています)。

■がん診療連携拠点病院■

2008年は「がん医療元年」。国立がんセンターを頂点として、全国で350の「がん診療連携拠点病院」(以下、がん拠点病院)が正式に決まりました。がん拠点病院とは、国が指定する「がん専門病院」。都道府県に1つの「都道府県かん拠点病院」(東京都と福岡・宮城両県は2つ)と、二次医療圏(全国349ヶ所。人口約30万人の居住地域を単位として設定されている)単位の「地域がん拠点病院」があります。指定に際しては、350病院の「実力」を審査するため、1年間の新入院がん患者数やがんの手術件数のほか、抗がん剤や放射線治療など、がんの診療実績が公式資料(「第4回がん診療連携拠点の指定に関する検討会」(2008年1月)資料)として初めて報告されました。
〜『医師がすすめる最高の名医+治る病院 決定版』(講談社別冊月刊現代、2008年3月)



※この「第4回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」については厚生労働省のサイトに詳細があります。「名医情報」ではありませんが、少なくともがんについては地元の拠点病院の情報はおさえておくべきでしょう。

なお、この本には残念ながら「膀胱がん」の名医は載っていませんでしたが、がん・心臓病・脳卒中・メタボリックシンドローム・歯の5つの病気について名医や病院の情報が掲載されています。また、その他の病気は2005年版、2006-2007年版にあるかもしれません(未確認)。編著者は医療ジャーナリスト吉原清児+月刊現代編集部。

■膀胱がんの名医■

もっとも参考になるのではと思い、国会図書館でコピーをとるのをやめて紀伊國屋書店で買ったのは、『迷ったときの医者選び 東海』(2008年4月、角川SSコミュニケーションズ)



帯には、

全て面接取材!
医者が病気になったときに自らがかかりたい名医を推薦!
実力医師318人
手術数だけでは分からない名医を公開!
本書の4大特色
1.病院や肩書きにとらわれず、実力本位で専門医個人を厳選
2.的確に治療の適応を決めるバランス感覚のある名医を選定!
3.手術症例数や生存率、死亡率、治療の特色や内容がくわしくわかる
4.抗がん剤や免疫療法など、最新治療の受け方や病院の選び方がわかる専門医等インタビュー記事24本満載!

と謳っています。
また、調査の方法は、
・専門医に直接取材のほか、評価できるほかの専門医の名前をできるだけあげて評価してもらった。
・他府県の医師の評価、医師以外の医療関係者の意見、患者会の方々からの情報も参考にした。
・リストアップされた医師約750人から、318人に厳選して掲載。
ということです。[ ホームページ ]もありますが、こちらはあまり機能していない様子。

以下、抜粋。

●名古屋第二赤十字病院
泌尿器科 小林弘明 第1部長
前立腺がん・浸潤性膀胱がんの全摘手術に高い実績。高度な手術手技に定評がある。
膀胱がんの初診患者は年間約50人。年間約100例の膀胱がん治療を行っている。
浸潤性膀胱がんの5年生存率の一般平均46.8%に対し、T2(筋肉の半分までに達している)=64%、T3a(筋肉の半分以上に達している)=59%、T3b(筋肉の外に出ている)=53%という好成績。表在性膀胱がんの実績はTa=100%、T1(筋肉に達していない)=96%。
外来診療日 火・水(8:00〜11:00) 紹介状が望ましいが、なくても可能。診察が混雑しており、現在は新患・再診ともに約2時間待ち。

●社会保険中京病院
泌尿器科 絹川常郎 部長
実績・成績 早期がんの年間平均症例数とがん特異的5年生存率:膀胱がんステージ2で8例90%以上(絹川部長・2006年)
同科は、充実したスタッフ体制と手術経験の豊富さで県内トップクラス。泌尿器系がんの年間手術症例数は、科全体で約190例。
膀胱がんは、T1以下(筋肉に達していないもの)には内視鏡の切除が中心。悪性度の高いものはBCG注入を併用するが、開腹するケースはない。T2(筋肉に達している)、T3(筋肉の外に出ている)およびT4(周辺臓器に達している)のケースは、リンパ節転移のないT2の場合は膀胱全摘で高い治癒率を獲得。T3、T4あるいはリンパ節に転移している場合は、手術だけでは再発の確率が高いたけ骨盤動脈内に抗がん剤を注入する療法と放射線療法を併用し、後日に全摘術を行う。
膀胱がんの年間手術症例数は約120例で、うち内視鏡切除術は約110例。
外来診察日 初診/月曜(9:00〜11:00)原則的に病診連携を通しての予約制。水曜再診中心(9:00〜11:00) 初診は紹介状持参が望ましい。

●浜松医科大学医学部附属病院
泌尿器科 大園誠一郎教授
実績・成績 膀胱全摘除術15件(科、2006年)
泌尿器がん診療に定評。東海エリアでいち早く承認のおりた新薬を使用し、新種の薬剤に取り組んできた実績を持つ。分子標的薬も積極的に使用している。
膀胱がんは、筋層まで達しない表在性がんは膀胱を温存するTUR-BTを行い、G1(軽度)、G2(中等度)には抗がん剤、G3(重度)にはBCG注入療法を実施。膀胱の筋層に広がった浸潤性がんは膀胱全摘除術を選択するが、術前に化学療法を行うかどうかを必ず検討している。進行性膀胱がんには、積極的に抗がん剤治療を行う。
外来診察日 初診・再診/水曜午前 紹介予約/セカンドオピニオン/木曜午前 紹介状持参が望ましい 予約電話は053-435-2653(かかりつけ医から地域連携室を通じて予約すれば待ち時間が少ない)
※この大園誠一郎教授は別の資料(『最新改訂版全国名医・病院徹底ガイド』)でも挙げられている。

●豊橋市民病院
泌尿器科 長井辰哉 部長
長井部長はすべての泌尿器疾患に対してミニマム創手術を行っており、その高度なテクニックで知られる。手術件数、実績ともに全国でトップクラスであり、東海地区では他施設の追随を許さないほど。ミニマム創手術とは、内視鏡を用いた小切開手術であり、傷が小さくて済むのが特徴。
ミニマム創手術とは、臓器を取り出せるぎりぎりの大きさの小切開創から内視鏡と特別な手術器具を用いて行う新しい手術。ほとんどすべての泌尿器腫瘍の手術が虫垂炎の手術創よりも小さい4〜6cm程度の傷で済むのが特徴だ。術後の痛みも軽く、手術翌日には歩行も食事も可能であり、入院期間も最短3日間と少なくて済む。
同部長の実績は、膀胱がんに対する膀胱全摘術14例など、2006年度だけで80例以上。高度なテクニックでミニマム創手術を実施し、全国屈指の症例数と実績を上げている。他院から見学希望の医師が訪れていることからも、その実力が伺える。
ミニマム創手術は泌尿器腫瘍小切開手術として厚生労働省から先進医療に認定され、同院は東海エリアの市中病院としては初の「先進医療当該施設」の認定を受けている。
外来診察日 月・木(8:30〜11:30) 紹介状等が望ましい。

●愛知県がんセンター中央病院
052-762-6111
泌尿器科 林宣夫部長
前立腺がん、膀胱がんなど尿路性器悪性腫瘍の治療に定評。
※この林宣夫部長は別の資料(『最新改訂版全国名医・病院徹底ガイド』)でも挙げられている。

■「名医」について■

『「名医」のウソ―病院で損をしないために』(新潮新書、2008年9月)も、「名医」について考える上で参考になります。



著者の児玉知之氏は聖路加国際病院を2006年に退職(内科)、(株)ファミリーメディカルエージェント代表取締役。このファミリーメディカルエージェントでは[ 名医の検索 ]というサービスを行っています。

以下、抜粋。

●名医ブームの危うさ

いい医療サービスを受けようと考えると、すぐに「いい病院はどこだ?」とか「いい医者はどこにいる?」などと探そうとする安直な傾向があります。
しかし、結論から申し上げれば、この発想は非常に危ういと言わざるをえません。なぜなら、そもそもこの一連の考え方は、「患者(自分)は医者に治してもらうもの」という、患者サイドからの完全に受け身な発想に立脚したものだからです。
患者さんが、完全に受け身では、満足な医療を享受するという目標からは結果としてだいぶ遠回りになってしまう危険性があるのです。
ほとんどの患者さんの場合、いわゆる名医と呼ばれるような、特殊技能を有する医者に診てもらわなくても事足ります。実は今ある医療インフラを上手く生かすだけで十分なケースがほとんどです。
医療サービスに不満を持つ状況の8割以上は、今ある医療インフラの使い方を知らないことに起因しています。
自分自身では調べたつもりで、医療機関にかかっても、実は全く見当違いな医者に診てもらっていて、その結果、当たり前のように症状が長引いているケースや、自分の症状や経過について話すことに無頓着なばかりに、不要な検査や投薬をされ、結果治療効果が上がらないケースなど、医療インフラを活用できていないことに起因する事例の方がよく認められます。
医者に対しての働きかけや、自分の症状のプレゼンの仕方を少し変えるだけで、全然違う結果にもなるのです。逆に言えば、偶然、名医と呼ばれる医者に運良く診察してもらったとしても、その生かし方を知らなければ結局のところ結果は一緒です。

●「病院ガイド」ではわからない本当のポイント

テレビが好んで取り上げるのは、どんな医者でもできないような病気の手術をして、それを成功させる「名医」です。しかし、実際にかかる病気のほとんどは、いうなれば誰でもかかる、いわゆる「ありふれた病気」です。ですから、そんな患者さんが特殊技能を持つ名医を求めてもそれは見当違いです。必要のない名医を求めても徒労以外の何物でもありません。
それでは、求めるべき名医=いいお医者さんとは、どのような医者でしょうか?一口で言うならば、「身の丈にあった説明、治療をしてくれる医者」です。これに尽きると思います。
もう少し言うと「説明がわかりやすい」医者、ないしは、説明を一生懸命しようとしてくれる医者は、信頼できるし、その病気の知識が豊富だと言えます。
医者の肩書きや病院の医療設備などは二の次で、本当はこれがもっとも確度が高くて、皆さんにもわかりやすい基準だと思います。

●手術を受けるポイント

最低限のラインというか、「こんな医療機関で手術を受けてはいけない」という目安に関してはお話しすることができます。
それがすばり、麻酔科専属の医者の有無です。「麻酔科専属の医者がいる病院が最低限の合格ラインである」ことをおぼえておいてください。
専属の麻酔科医がいるということは、言葉を変えれば「病院側がこれらの危険性(麻酔行為のリスク)を理解していて、なおかつ、麻酔科医を雇う余裕があるくらい手術件数が常にあるんだよ」ということを示しています。

■失敗しない医者えらび■

『失敗しない医者えらび 納得して治療を受けるための45のヒント』(日経メディカル編、日経BP社、2004年10月)は紀伊國屋書店の棚で見つけた本。医学雑誌「日経メディカル」による家庭医学書シリーズ「日経メディカル・ブックス」の1冊。やや古いのですが、いくつかの病院ランキング本、病院検索サイトなども載っていて参考になりました。医者が推薦する良医のリストとして挙げられている「ドクターズ・ファイル」がすでにサービス終了していたのは残念。



以下、抜粋。

●病院ランキングの読み方

「ランキングで第1位の病院に行ったのに、期待を裏切られた」と、ランキング不信病(?)にかかっている人もいるようです。でも、いい加減な病院に任せてはおけないから、病院ランキングを頼みにするというのでは、お任せする先が病院から本(=情報)に代わっただけ。大切な判断をほかの人に任せていることに変わりありません。

※ここでは病院ランキング本が4冊紹介されています。
『手術数でわかるいい病院・全国ランキング2004』(朝日新聞社)
名の通った大病院ばかり。
『患者が決めた!いい病院【関東版】』(オリコン・メディカル)
開業医や小規模な病院も上位にランク。首都圏約9万人の患者にアンケート(有効回答数約6万5000)。
『日経病院ランキング』(日本経済新聞社)
病院の総合力、組織力をみるランキング。全国約2000の主要病院に対してアンケート調査。
『医師1万5000人に聞いた全国優良病院ランキング』(日経BP社)
「日経メディカル」の開業医の読者約1万5000人にアンケート。

●がん生存率(5年生存率)は病院によって違います。

本格的な治療に入る前に、かかっている医者に「私のがんの生存率はどのくらいですか。ここではどのくらいの生存率の実績がありますか」と尋ねてみることが大切です。がんの生存率は、病気の種類や進行度合いによって大きく異なりますから、自分のがんと同様な場合のデータを聞くのがポイントとなります。
ホームページで自院のがん生存率を開示している病院も少しずつ増えてきています。いくつかの病院の数字を閲覧し、比較してみるとよいでしょう。ただし、病院によっては生存率の計算方法がまちまちなので注意が必要です。計算の仕方によって10%ぐらいは容易に上下してしまいます。
もっとも、数字だけにこだわりすぎるのも考えものです。生存率が高いからといって、治癒が保証されるわけではありませんし、低い成績だからといって治療がうまくいかないとも限りません。がんの治療では、心身ともにかなり辛い治療をすることになる場合が多いため、自分が信頼できそうな医者か、話しやすいかといったことも大きな要素なのです。
病院のがんの治療成績を知るのは、ある意味“生存率を忘れる”ためといえるかも知れません。できるだけ情報を集めた上で納得して選択すれば、過去の統計的データに過ぎない生存率はいったん忘れ、自分にベストなことが起こると信じて前向きに闘病することが大切でしょう。

●いいお医者さんの条件の一つは症例数が豊富なこと。

多くの医者が、お互いの実力を判断する上で、経験した症例数を重視しています。
現在のところ、ある医者の経験した症例数を知るには、直接尋ねるしかありません。その際は、自分と同じ病気の症例数、執刀医としての症例数を聞くことがポイントです。そして、患者が症例数を尋ねること自体に嫌な顔をするなら、その医者にかかるのを考え直した方がいいかもしれません。

●医者の“腕”を見抜くためのポイント

1.症例数が多いか

病院全体の患者数が多くても、その医者が担当する症例数が多いとは限らないので注意。

2.専門外来で初診を担当しているか

専門外来で担当している分野についてはかなり詳しいと思ってよい。

3.開業医の場合、標榜科目が一つか

自分の専門科目をアピールしたいことの現れ。

4.専門医資格を有しているか

ただし学会により資格取得に必要な条件が異なるので、どの専門医も同じということではない。

5.「臨床○○学会」に参加しているか

例えば日本臨床小児科学会、日本臨床皮膚科学会などがある。開業医の参加も少なくない。

●医学の専門的なことは分からなくても、こういうお医者さんなら安心できます。

1.自分の能力を知っている

多くの医者が、“自分で責任を持って治療できる範囲を知っていること”が医者の実力を見分ける上で重要であると言っています。自分の能力をよく知っている医者は、必ずと言っていいほど、優れた能力を持つ医者同士でネットワークを組んでいたり、他の医療専門職(看護婦、薬剤師、栄養士、臨床心理士、臨床工学技士、ケースワーカーなど)と協力しながらチーム医療を行っています。チーム医療を積極的に行っていないような医者は、自分の能力を過信しているか、逆に自分の診療技術に自信がなく、それを隠したいのかのどちらかです。

2.患者からの質問に対して答えをはぐらかさない

患者の質問にきちんと答えず都合のいいことばかり答えたり、何かというと権威をすぐに持ち出してくるような医者は、あまり信用できません。
患者がある治療法の効果について聞いているのに、医者が「これは最先端の治療法ですよ」とか、「学会でも注目を集めている治療法ですよ」などと答えたとしたら、単にその最先端の治療法を試してみたいだけなのかもしれません。

3.難しいことでも分かりやすい言葉で話す

専門用語を多用して小難しくしか話せない人は、実は内容を本当に理解していないことが多いのです。

4.時間を有効に使っている

担当する患者数の多い医者ほど、時間の大切さを知っており、わずかな時間でも有効に活用しようと努力しています。

5.医者自身が健康である

的確な判断は、心身ともに健康で安定していてこそできること。動作や話し方がテキパキとしていて活力があり、いかにもハツラツとした印象を与える医者は、概して腕もいいことが多いようです。

●医療ミスを繰り返すリピーター医師の実態

リピーター医師に限らず、医療過誤を起こすような医師にはいくつかの共通点があります。技術が未熟であることはもちろんですが、患者や他の医療スタッフとの意思疎通が不十分、独善的で他人のアドバイスに耳を貸さない、などです。また、突発的な事態に臨機応変に対応する能力が乏しいということも挙げられるでしょう。
態度が傲慢で一方的に決めつける、説明のしかたが不親切で患者の立場を考えない、周囲のスタッフとのチームワークがとれていない…と思ったら、自分の直感を信じて、そのような医者は避ける方が無難かもしれません。

●市民グループが作った、新・医者にかかる10箇条

1.伝えたいことはメモして準備
2.対話の始まりはあいさつから
3.よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4.自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.これからの見通しを聞きましょう
6.その後の変化も伝える努力を
7.大事なことはメモをとって確認
8.納得できないことは何度でも質問を
9.医療にも不確実なことや限界がある
10.治療方法を決めるのはあなたです

「医者にかかる10箇条」はそもそも1998年に厚生省から発表された。研究班のメンバーとして素案作りを手がけた、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)が自分たちの責任で事業を引き継いだ。

●COML理事長が挙げる、賢い患者になるための5つの心構え

1.病気は自分のものであるという「自覚」を持つこと
2.自分はどんな医療を受けたいかをしっかり考えること(意識化)
3.望んでいる医療など、自分の気持ちを言葉に置き換えること(言語化)
4.対話能力を身につけること(コミュニケーション能力)
5.一人で悩まず、誰かに相談すること

●セカンドオピニオンをうまく聞くためには

上手にセカンドオピニオンを聞くためのポイント

1.主治医から診断、治療法、今後の見通しについて説明を受ける

2.セカンドオピニオンをとりたい旨を申し出、紹介状と診療情報をもらう

セカンドオピニオンがうまく聞けない最大の理由は、そのために必要な資料を患者が用意していないこと。主治医の診断や治療方針と比較検討するためには、患者自身が主治医の説明を理解していること、診断に必要な検査データを持参していることが前提となります。また、こうした資料がないと、すべての検査をやり直さなければならず、患者にとっても時間とお金の無駄になります。主治医にセカンドオピニオンを取りたいと申し出て、資料を貸し出してもらいましょう。
(X線写真などの画像診断資料、病理標本、病理診断資料など)

3.病気と医者の情報を集め、どこでセカンドオピニオンをとるかを考える

4.受診前に、受け入れ体制、持参する資料、費用などを確かめる

病院に電話をして確認しましょう。
事前予約の必要なところが多い。通常の診療時間とは別の時間帯にセカンドオピニオン相談を行っている病院もある。費用は保険診療の初診扱い、患者の自己負担(30分5000円、1時間2万円)など病院によってさまざま。無料の相談もある。

5.病気の経過と聞きたいことをまとめておく

これまでの経緯や質問項目、それに対する主治医の意見、セカンドオピニオンとして聞きたいことなど。

6.手順をよく考えて行動する

7.セカンドオピニオン医の意見を主治医に報告する

主治医に結果を報告することで、ファーストとセカンド、2人の専門医が連携しつつ、最善の治療法を検討してくれる場合もあります。実際、そうした形で複数の医者と良好な関係を築いている患者もいます。

●患者の体験から得ることは多い。

患者会:自分の病気や、それを専門とする医療機関についての情報が手に入るだけでなく、ほかの患者と知り合い、体験談を聞くことができます。
[ いいなステーション ]
[ 難病情報センター ]
[ プリメド社(患者会と障害者団体のリンク集) ]
[ 楽患ねっと ]

●病気について調べたいとき便利な患者向け図書室

患者向け図書館のある主な病院
日鋼記念病院(北海道) 健康情報ライブラリー
新潟県立がんセンター新潟病院 (新潟県) からだのとしょかん
聖路加国際病院(東京都) さわやか学習センター
日本赤十字社医療センター(東京都)
医療従事者が使ってる図書室を患者にも開放、蔵書は全部で約3万5000冊。
東京女子医科大学病院(東京都) からだ情報館
東京大学病院(東京都) 患者学習センター
亀田総合病院(千葉県) 患者さま情報プラザ「プラタナス」
浜松赤十字病院(静岡県) いきいき健康図書館
京都南病院(京都府) 病院図書館
国立病院機構大阪医療センター(大阪府) 患者情報室

[ 医学図書館の一般公開 ]
医療従事者向けの医学図書館を一般市民が利用する場合の条件などが検索できる。

■その他情報源■

『医師1万5000人に聞いた全国優良病院ランキング』(日経BP社、2004年10月、編集・日経メディカル)は、同じく日経メディカルがまとめた『失敗しない医者えらび 納得して治療を受けるための45のヒント』(前述)で病院ランキング本として挙げられていた1冊。「日経メディカル」の開業医の読者約1万5000人にアンケート。膀胱がんについては掲載されていませんが、病気によっては参考になるのではと思います。



その他、国会図書館でコピーをとった資料。

『最新改訂版全国名医・病院徹底ガイド』(主婦と生活社、2006年11月、監修者・松井宏夫)
約2300の病院・医師にアンケートを依頼、回答の得られたところ(1888病院、医師5094名)を掲載。


『この病気にこの名医』(主婦と生活社、2005年10月、著者・松井宏夫)

『この病気にこの名医 Part2』(主婦と生活社、2006年10月、著者・松井宏夫)

『この病気にこの名医 Part3』(主婦と生活社、2007年10月、著者・松井宏夫)


日刊スポーツ新聞の連載をまとめたもの。著者の松井宏夫氏は『週刊サンケイ』記者を経てフリージャーナリスト。
このうち膀胱がんはPart2に掲載。癌研有明病院福井巌部長への取材をベースに膀胱がんについて8ページの記述、それに「膀胱がんの名医」として13名の医師の氏名・肩書・病院名が記されています。

参考になりましたでしょうか?

※これは「吉見リサーチオフィス」のリサーチサンプルとして公開しています。

■追記:もっと名医を知りたい場合には…

この情報はあくまでも誰もがアクセス可能なパブリッシュされたデータであり、これで名医のすべてを知ることはできません。「本当に価値のある情報、ネットにテキスト化されて掲載されていない、Googleがその巨大データベースのインデックスに登録していない重要な情報は、結局のところ属人的な情報パスを使わなければ入手することができないのは言うまでもない」( 『情報崩壊バブルの崩壊』山本一郎)[ link ]という通りで、これらのパブリッシュ情報をふまえたうえでの属人情報を引き出す取材がリサーチャーの本領なわけですが、一般の方が属人情報にアクセスするには、まずは患者会が有力な情報リソースとなるかと思います。mixiなどのSNS、オンラインコミュニティも使い方によっては有用かもしれません。あるいは蛇の道は蛇ということで、やはり専門家。かかりつけのお医者さんに相談してみるとか。専門外でもドクターにネットワークがあれば良いアドバイスが得られるかもしれません。

日経メディカルとかの専門誌のエディターやライターも、医師と接触する機会が多く、業界内の事情に通じていると思われますので、専門家に位置づけてよいでしょう。ただし情報にはパブリッシュできるものとパブリッシュできないものがあるので、その点は配慮が必要ですが。

■関連記事:
嘘で固めたインターネットと消費者の暴動 - 『情報崩壊バブルの崩壊』(山本一郎)
情報取材のプロが教える汎用リサーチマニュアル(ver.1)

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