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2008年11月13日

「市民の安全」を錦の御旗に、保身に躍起な警察とメディア

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ふらっとどらいぶログ カテゴリー : news ]

まず、少なくともピントがずれていると思う記事を引用。
 和歌山県警がハイテク機器で“武装”した大・中型のオートバイ部隊を暴走族の取り締まりに導入し、摘発に効果を上げている。「黒豹(ひょう)」「銀虎」と刑事ドラマさながらに愛称をつけ、メディアが活躍ぶりを取り上げるなど注目度もアップ。12月には英国の衛星テレビ局も取材に訪れる予定で、県警は“世界デビュー”を心待ちにしている。
 県警暴走族対策室は全国に先駆けて平成14年4月、暴走族取り締まりで小回りが利くようオートバイ部隊を導入した。暴走族対策上、台数や隊員数は明らかにしていないが、夜間の取り締まりでも目立たない黒い大型車(800CC)、銀色の中型車(250CC)で、それぞれ「黒豹」「銀虎」と名づけた。
 車体には独自のハイテク装備も施した。速度取り締まり用の計測メーターだけでなく、県内企業と共同開発した発射装置によってカラーボールを暴走族に撃ち込み、証拠に役立てる。防水性が高く、揺れても鮮明に撮影できるという高感度のCCDカメラも大手電機メーカーと共同開発した。
 部隊導入直後の15年、県内の暴走族摘発件数は976件と前年より206件も増えた。「暴走族は黒豹や銀虎が近づいただけで暴走をやめるようになった」(同室)といい、19年の摘発が275件にとどまるなど抑制効果も上がっている。
 こうした活躍は国内のテレビやバイク誌などに取り上げられ、テレビ映像が視聴者によってインターネットサイト「ユーチューブ」にも投稿された。
 8月には、欧米の警察官の横顔や犯罪の実態などを紹介するドキュメンタリー番組を制作している英国の衛星テレビ局「RAW CUT TELEVISION」から取材依頼がきた。
2008年11月12日産経関西 「黒豹」「銀虎」世界デビュー 英TVが取材へ 暴走族取り締まりバイク部隊
黒豹、銀虎という「族ライク」なネーミングはさておき、そもそも、和歌山県警がそんなに頑張る状況にあるのだろうか。暴走族は全国的に減っているのだから。

以下、最近の記事から。

 昨年1年間に全国の警察本部が検挙した暴走族は3万6642人で、前年比14.5%減少したことが7日、警察庁のまとめで分かった。暴走族のグループや構成員は約1割減っており、同庁は「少年の暴走族離れが進んでいる」としている。
〜2008年2月7日 暴走族の検挙14%減=構成員も1割減〜成人比率が上昇・警察庁(時事通信) - Yahoo!ニュース
 山梨県警は十二月三十一日から一月一日にかけて、富士北ろく地域や県東部を中心に中央自動車道や主要幹線道路で「初日の出暴走」の取り締まりを行った。
 県警交通指導課によると、一日夕方までに道交法違反(初心者マーク未表示)の疑いで一人を摘発した。
〜2008年01月03日山梨日日新聞 「初日の出暴走」 摘発者ことしは1人 県警 中央道や幹線道で取り締まり
 日本のお正月の悪しき風物詩となっている暴走族による初日の出暴走。しかし今年は東京都内では例年に比べて大幅に減少したことが、警視庁の調べでわかった。
 警視庁交通部は2007年12月31日午前9時から08年1月1日午前9時までの24時間の取り締まり結果を発表。確認された暴走族車両は60台(四輪車24台、二輪車36台)。取締りによる検挙人数は30人、逮捕者は0人だった。この数字は過去3年間の取締り実績の中で最も低い。
 また暴走車両はすべて都心周辺で確認されたもので、例年取り締まりの中心となる中央自動車道、圏央道など富士山方面へ向かう道路で確認された数はゼロだった。
 こうした警視庁の発表に対し、さもありなんと頷くのは民放のニュース番組で特集コーナーを担当している番組制作会社のディレクター。ここ数年は初日の出暴走を取材するのが恒例となっていて、今年も正月返上で大晦日の夕方から八王子料金所で暴走族を待ち受けた。
 大晦日の夜は寒いうえに天気も悪かったので、暴走集団も遠出は避けて都内周辺で済ませたようだ。八王子料金所には前出ディレクターの他にもテレビ、新聞などたくさんの取材陣が来ていたが、期待された警察と暴走集団の派手な衝突等もなく、どこも一様に肩透かしをくった格好だという。
 また、初日の出暴走が今年目立たなかった大きな要因としては、他に原油高にともなうガソリンの値上げがあるのではないかと、前出のディレクターは語る。
 実際下調べの段階で、以前取材したことのある暴走族のOBから、最近はガソリンが高くて活動も下火になっているという話を聞いたばかりだという。
2008年1月5日 原油高と寒さに初日の出暴走は沈静 取材陣肩透かし - Ameba News [アメーバニュース]
 県警交通指導課は、年末年始の暴走族取り締まり結果をまとめた。同課は「取り締まりが奏功し、比較的平穏な元旦を迎えられた」としている。
 取り締まりは昨年12月30日から今年1月3日までの5日間。県内全28署の交通課員ら約900人、パトカーなど延べ約400台を動員。大洗海岸(大洗町)などで無免許や整備不良などの道交法違反15件を検挙、12台に整備命令を出した。
 筑波山では昨年、約50台の集団暴走などがあったが、今回はみられなかった。同課は「11月以降、週末を中心にたびたび検問を実施したことが影響したのでは」としている。
 大洗海岸や大竹海岸(鉾田市)など、年々減少。一時は数百台からなる集団暴走も見られたが、現在では3〜7台の小グループが多いという。
〜2008.1.6MSN産経ニュース 茨城の暴走族 最近は静か
 県内の暴走族が激減している。県警のデータでは、07年は258人で、10年前の約10分の1。04年に暴走族の活動を抑えるための県条例ができたことに加え、構成員の中心になる少年世代のバイク・車離れも要因のようだ。
 県警交通捜査課によると、県警に暴走族対策室ができた96年、取り締まり活動などを通じて県警が把握した暴走族は計3042人だった。
 97年には2315人と減り、その後も年々減少。07年は258人と、過去最少となった。「共同危険」のグループも最盛期の00年には81グループあったが、07年は6グループまで減ったという。
 警察庁によると、全国の暴走族は最新のまとめの06年で1万3677人。97年の3万4051人より半分以上減ったが、神奈川の方が減り方の幅は大きい。
 県警は少子化を大きな要因とした上で「インターネットやテレビゲームなど身の回りの楽しみが増え、昔ほど車やバイクへのあこがれがないのではないか」とみる。また、暴走族での上下関係を嫌う傾向もあると分析している。
 04年の道路交通法改正も大きい。改正前は実際に迷惑を受けた被害者がいないと「共同危険行為」にみなされなかったが、改正後は暴走行為が目撃されれば摘発できるようになった。
 暴走族の減少とともに、騒音苦情など暴走族関連の110番通報も、97年の1万819件から07年は5744件と約半分にまで減った。
〜2008年06月05日県内の暴走族、激減 - asahi.comマイタウン神奈川
 県内の暴走族が減り続けている。県警によると、構成員数は99年の約3割の141人に。時代の流れか、代名詞だった特攻服も「格好悪い」と敬遠されがちで、インターネットの掲示板を使って集団暴走の仲間を募るケースもあるという。暴走族の活動が本格化する夏場に向け、県警は根絶に向けた取り締まりを強化する。
 県警交通指導課によると、現在把握している県内の暴走族は33グループ(141人)で、99年の45グループ(464人)の約3割に減った。99年に308人だった検挙人数も、昨年は約1割の33人にとどまった。
 以前は「総長」を中心とした数十人規模での爆音暴走が主流だったが、最近は組織が弱体化し2、3人の小規模グループによるゲリラ的暴走行為が多いという。県警は少年人口の減少に加え、警察官が確認しただけで共同危険行為を立件できる、04年11月の改正道交法施行などが功を奏したとみている。
 定番だった特攻服も人気がなくなり、ジーンズにブーツなど普段着姿でオートバイを操る暴走族がほとんどという。「集会」は金曜、土曜日の深夜が最も多く、携帯電話のメールやインターネットの掲示板で日時や場所を知らせ、その場限りの即席の暴走グループを結成することも増えているという。
 ここ数年をみると、20代の摘発が増えるなど高齢化が進み、中には40代もいる。「後継者不足」で暴走族を抜けられないケースもあるという。最近は旧型の車やオートバイで暴走行為を行う「旧車會」の活動が活発化し、そのメンバーが20〜40代の暴走族OBの場合も多い。
 暴走族に関する110番受理件数は、00年の6432件から昨年は829件に減少した。今年1〜5月の受理件数も前年同期比234件減の124件になっている。
 しかし、県警は「不良行為を助長し、暴力団とのかかわりもある。多大な危険と迷惑を与える存在であることに変わりはない」とし、6月を取り締まり強化月間に指定。構成員の離脱支援活動や暴力団からの切り離し、不正改造車への対策などを重点的に推し進めている。
〜2008年06月17日暴走族に高齢化の波 ネットで募集も - asahi.comマイタウン栃木
要は「いまどき暴走族なんて」というところでしょう。「暴走族=かっこ悪いという認識からか年々メンバーは減少し、ネット上ではよりはっきりと「珍走団」と呼ばれ嘲笑される始末。」というのが実態で、時代の流れとしては、放っておけば自然消滅するのではないかと思われます。

でも当の警察にしてみれば、なかなかそうは言えない。言ったら自分たちの存在意義が失われ、リストラの対象になってしまうから。だから黒豹と銀虎の抑制効果だとか、道路交通法や県条例の改正が功を奏したとか、検問実施の影響だとかと、取り組みの効果をしきりにアピールしているように見受けられます。

治安を楯に自らの立場を保持したい、というのがホンネなのではないでしょうか。

警察はみずからを聖域化したい。で、記者クラブ制度が発達したこの日本では、メディア(※ここでは、記者クラブに詰めている新聞社・テレビ局の記者達、の意)も利権は同じ。自らの保身のために、警察の聖域化にも目をつぶる。それどころか、せっせと事件報道を量産し危機感をあおり「私たちは欠かせない存在ですよ」とアピールする。…というのは、うがった見方でしょうか?

交通事故死者数の劇的な減少(=成果)を積極的にアピールしない理由も、そういうことなのではないですか?

摘発から予防にシフト、ということであれば理解はできます。が、このままずるずるとシフトしていくのではなしに、ちゃんと説明し、国民を納得させてもらえないでしょうか。

大事なのは僕らの安全であって、あなた方の保身ではないのだから。

また、警察がその役割を予防にシフトするのであれば、メディアもみずからの役割を見直さなければならないと思います。結果的に模倣犯を生み出し事件を再生産しているかのような、いまの事件報道には納得がいきません。(←これについてはまた改めて書きたいと思います)

■関連記事:
初日の出暴走は摘発ゼロ。警察(とメディア)の存在意義は?
「福祉犯」への違和感、背景には「家族崩壊」?
交通事故死者数は劇的に減少していた!

※2008-11-13 08:38に書き直しました。

■2008-11-26 23:22追記:一見関係なさそうだけど関係ありげな記事。
こんにゃくゼリーを巡る議論の違いを見ていると、マスメディアと政・官が「共犯」となり、人々の自律や社会のイノベーションを阻害している、と言っても言い過ぎではないように思えるのだ。
こんにゃくゼリー規制論にネットはなぜ反発するか(藤代裕之)


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