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2010年09月19日

昔ながらの商店街とアトム化した僕ら

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ふらっとどらいぶログ カテゴリー : fratdrive日記 ]

昔ながらの商店街に行きたい。そう思って調べてみたんだけど、どこにあるかさっぱりわからない。
魚屋さんなのだ。
学生時代は三軒茶屋に住んでいた。あそこは、今でもそうだと思うけど、茶沢通りから入ったところにいかにも商店街って感じの賑やかな商店街があって、昔ながらの八百屋さんや魚屋さんがあった。…結局西友で買ってたんだけど(西友?当時はアムス西武だったかな)。
あるいは埼京線の十条にはいい感じの商店街があるし、東京都内には各所に戸越銀座とかたくさんの「昔ながらの」商店街があるのに、埼玉県内には、いったいどこにそうしたいわゆる昔ながらの商店街があるのだろうか。
昔ながらの商店街にある昔ながらの魚屋さんで刺身の盛り合わせを食べたいのだ。「さしみの塩谷」さんの閉店以来、かれこれ丸2年、おいしい刺身を食べてないのだ。スーパーの刺身じゃ物足りないのだ。たっぷり厚くておいしいマグロの赤身、そしてぼくの大好きな赤貝。


…ということでいろいろ調べていたら、魚屋さんについては、「埼玉発-地域でがんばる元気な商店」という埼玉県のサイトでいくつか見つけることができた。こんど行ってみようと思う。
でも、昔ながらの商店街がどうしても見つけられない。
イオンモールとかのいわゆるショッピングモールは、広い商圏と強力な集客力を持っている。いいかえると、大勢の「いちげんさん」によって成り立っている。ぼくらはフロー的「いちげんさん」化することで、選択の自由を獲得した。そのかわり、選択できる商品は画一化した。かつてあった商店街。店と客はたんなる店と客ではなく、客はたんなる消費者ではなかった。大規模スーパーやショッピングセンターが、低価格を武器に、元々あった「つながり」を断ち切った。「つながり」からフリーになりたかった消費者の意向もあったのだろう、時代の趨勢だったのだろう。でもそれは正しい選択だったのだろうか。単なる「一消費者」に押し込められ、アトム化して漂う僕らは、幸せなんだろうか。
いま僕らが買い物に行くとき、近所のスーパーに行く。それは他の選択肢がないから。スーパーにあるものしか僕らは選べない。あるいは別のスーパーに行っても、やはりそこにあるものしか選べない。僕らはスーパーマーケットという枠に、一消費者として押し込められている。そこには安いものはある。たくさんある。良いものはどれだけあるか。生産者の思いがつまったものはどれだけあるか。ああ買ってよかったと大きな満足をもたらしてくれるものはどれだけあるか。…各地JAの農産物直売所などが賑わうのは、スーパーにないものがそこにあるからだろう。
固定客として通い続けているお店がある。ぼくはそこでは、単なるお客さんでありながら、それだけではない。ぼくのような固定客がコンスタントに通えば、安定した売り上げにつながる。在庫ロスが減らせるし、広告費を使って「いちげんさん」を呼び込む努力もいらないから、結果としてリーズナブルな価格で、しかも良い商品を購入することができる。お店がいい商品を提供し続ける限り、ぼくらもコンスタントに通い続ける。
そんな良い循環を、「いちげんさん」になった僕らは失ってしまったのではないか。固定客となって店を支える、そんな存在、関係を、取り戻してもいいのではないか。

…というふうに思うんだけど、目下の課題は昔ながらの商店街。

■関連記事(当サイト内):
広告社会から寄付社会へ
ある魚屋さんの閉店(通りすがりではない消費者)
寂しい「お客様」 - 分断された生産者と消費者

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