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2009年06月03日

ジャーナリズムの思考停止(無脳化)

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ふらっとどらいぶログ カテゴリー : news ]

事件記事はあまり興味がないので読まないんですが、たまたまこれ読んで、唖然とした。
 川崎市幸区中幸町のアパートで大家と弟夫婦の計三人が刺殺された事件で、殺人容疑で調べを受けているアパート住民の津田寿美年容疑者(57)は、知り合いに被害者らへの恨みを漏らしていた。静かな住宅街を襲った惨劇に、近隣住民らは「なぜこんなことに…」と声を震わせた。 (北条香子、酒井博章)
[ 『何やってる』早朝の怒声 幸区3人刺殺 近隣住民らに衝撃 - 東京新聞神奈川版2009年5月31日 ]
あえて記者名も引用した。最後の一文はなんなんだ。記者が思考停止してどうするんだ。

これ読んで思い出したのがこれ。もちろん抜粋なのでぜひ原文をあたっていただきたい。
 大手週刊誌の電話取材を受けて、心が汚れたような気持ちになった。
 元ライブドア社長の堀江貴文さんについての取材だった。私は5年ぶりぐらいに堀江さんに2時間ばかりのインタビューをして、その長大な一問一答が今月発売中の雑誌「サイゾー」に掲載されている。その記事を読んだ週刊誌の記者が私に電話をかけてきたのだった。
この記者が何を考えていたのかはある程度は推測できる。それはつまり、こういう記事を書きたいということなのだ。
 「テレビなどのマスメディアからは相手にされなくなったホリエモンは、ブログやYouTubeのような自分のメディアを作ってそこで閉じこもって細々と情報発信」「60億円の民事訴訟に敗訴したホリエモン、必死で裁判で戦っていくとやせ我慢」
 予定調和の世界である。
 そういうようなシナリオを描くのは勝手だが、しかしそのシナリオは事実とは著しく乖離している。しかし著しくリアリティがないとしても、その記者が自分の意見として「ホリエモンは貧すりゃ鈍す」と主張したいのならまだ理解できるが、彼らの発想はそうではない。堀江さんに取材した私を引っかけ質問で誘導して、「最近ホリエモンに取材したジャーナリストの佐々木氏によれば、ホリエモンはすっかり貧すりゃ鈍すになっているようだ」と他者に責任をおっかぶせてリアリティのかけらもないでっち上げ記事を書きたいだけなのだ。
 なぜそこまで人を誘導尋問で引っかけて、私が考えてもいないことをコメントとして掲載しようと思うのかが、もうわからない。取材者と取材対象の信頼関係なんかどうでも良くて、自分が作ったシナリオ通りに相手をしゃべらせればそれでオッケーという神経が、どうにも理解できない。
[ 週刊誌記者の取材に心が汚れた - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点2009/05/26 ]
同類だ。

ところで佐々木さん、このあとテレビのことを語ってるけれどもリアリティに欠けている。所詮、予定調和に落とし込みたいのか活字の方は。だいたい活字(印刷媒体)のひとがテレビを語ると、なんだかカッコいいダーツだけど的外れみたいな感じになる。それは想像力が追いつかないのかもしれない。また、予定調和に落とし込まないと安心できないのはオールドタイプだし不自由だなと思った。

そうこうやっている間にこんな残念なことをやっている人もいる。
文章の構造というと「5W1H」や「起承転結」序論・本論・結論」などが知られていますが、そもそも「5W1H」は要素なので構成の参考にはなりません。「起承転結」は文章の流れですが、転がうまくはまらなかったり、オチがつくれなかったりして、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。モジュールライティングは、初心者でも文章の構成・ストーリーが出来るようになるフレームです。
昨年度は、ニュース記事を書くということを前提に、「リード(概要)+詳細+コメント」というセットや科学記事(リリース)用の「リード(概要)+ニュースバリュー+発表内容+エピソード+研究分野の説明+識者コメント(評価)+識者コメント(反論)」セットなどを考え出しました。
[ ■[CoSTEP]文章構成のためのフレーム「モジュールライティング」 - ガ島通信2009-05-29 ]
フォーマット化すれば確かに書きやすくなるだろうが、冒頭に挙げたような思考停止記事ばかりになったらまったく笑えない。

記者は内在するモチベーションと公益性との間でもっともがくべきだし、そこから自分なりの答えを導き出すべきだ。技術が解決できる問題ではないし、だったら今ならアマチュアで優れた書き手がいっぱいいるはずだ。

記者が無脳化してはいけない。いったい何のために書くんだ。客が読みたい記事を書くのではなく伝えなければならない記事を書く、そうでなかったらいますぐ記者なんて辞めろ。

■関連記事:
新聞記事についての拭えない疑念。 (別ブログですが書いてるのは同じボク)
悪徳業者をはびこらせホタルを苦しめる新聞“無脳”記者

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