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2008年11月20日

「福祉犯」への違和感、背景には「家族崩壊」?

[ 投稿者 : fratdrive ブログ : [ f ]ふらっとどらいぶログ カテゴリー : news ]

タイトルでひっかかって読んでみた地方記事ですが。。。
 県内で児童買春や少女を風俗店で働かせるなど、未成年者を狙った福祉犯の摘発が増えている。県警は事件の背景を探るため、被害者の大半を占める少女の実態調査を行った。
 「寂しがりやで相談相手を求めているのに、学校や家庭に居場所がない」―。被害に遭った少女の、そんな実態が浮かび上がった。孤独感から見知らぬ男性との出会いを求める傾向が表れ、県警は「家庭や学校など、既存の人間関係のきずなを強めることが被害防止に重要」と分析する。
 調査は県警少年育成課が福祉犯被害に遭った少女四十九人に対し、昨年九〜十二月にアンケート方式で実施した。事件にかかわったきっかけを尋ねたところ、「金欲しさ」(十人)に続いて、「寂しかった」(九人)「話し相手がほしかった」(四人)など孤独感を理由にした回答が目立った。
 一方、被害後の心情では、「金品が入手できた」(五人)「新しい友達や彼氏ができた」(二人)などと答えたのは少数。「孤独感が解消した」のも一割に満たず、四割近くが「大人を信じられなくなった」と答えた。
 「被害にあってよかったことがあったとしたら」という問いには、「心配してくれた親や友達、先生」と答えた少女が十七人。
 「だれでもいいからやさしくしてほしい」と答えた被害少女は約半数で、一般の中学二年生、高校二年生計三百三十五人を対象にした調査結果と比べてほぼ倍の割合だった。
 約七割の被害少女が通学していたが、一般の生徒に比べ「成績が上がった」などの成功体験が乏しい上、「いじめや、無視をされる」など嫌な体験を学校でしていた割合が高いことも分かった。「学校生活が充実している」と答えたのは一般生徒の八割に対し、被害少女は三割程度だった。
福祉犯被害の少女急増/「寂しいが、相談相手いない」県警が実態調査(カナロコ - 神奈川新聞2008/11/16)
事態は深刻。いったいどういうことなんだと考える以前に、どうもこの「福祉犯」という呼称が実態と乖離し、軽く感じられてならない。

福祉犯とは愛知県警のサイトにあるように、
・18歳に満たない者にお金や物品などを与えて、性交等をする児童買春事件
・18歳に満たない者に対し、いん行又はわいせつな行為をする愛知県青少年保護育成条例違反事件
・18歳に満たない者をキャバクラなどの風俗営業店でホステスとして働かせる風俗営業関連の違反事件
・18歳に満たない者に売春客を紹介して、いん行させる児童福祉法違反事件
・出会いサイトに、児童に対し性交を誘引する書き込みを掲示する出会い系サイト規制法違反事件
・未成年者にビール等の酒類を販売する未成年者飲酒禁止法違反事件
…といった犯罪を指すらしい。おおむね、未成年を狙った性犯罪。外務省サイトでは「警察では、児童の性的搾取及び性的虐待を含め、児童の福祉を害する犯罪を福祉犯として捉え」ているということで、わからなくはないのですが。。。

「児童の福祉を害する」ってレベルではないでしょう。

最近、「昔援助交際をしていた。あんたにやらしても何とも思わん」と中3の娘に言って売春させた母親が起訴されたというニュースがありましたが、こういう負の連鎖は断ち切るべきでしょう。ぼくら大人の老後は、いまの子どもたちによって支えられるのですから。

あと、「児童」ってくくり方もなんとかならないかとも思っていますが、それはまたいずれ。

ところで、この背景に「家族の崩壊」がありませんか?

週刊東洋経済2008/10/25に「家族崩壊〜考え直しませんか?ニッポンの働き方」という特集がありました。記事では「家族崩壊」の元凶は歪んだ労働市場と指摘。長時間労働、非正規雇用、世帯の孤立化…といった要因の連鎖によって、ニッポンの家族は崩壊寸前だと主張しています。

また、『普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓』などの本を書いている岩村暢子さん。「食卓」の調査を通じて現代家族の実態を調べている方ですが、別の角度から「家族崩壊」を指摘しています。
現代家族では、家族の行事でもみんな同じように「楽しみたい人」ばかりで、誰かのために陰で「してあげる人」はいなくなっているので、行事はすべて外注化される。手作りの料理より、レストランやテイクアウトショップで済ませるほうが「みんな平等」家族の幸せなのだ。
「理想の家族」「良い子育て」のために。クリスマスでは暴走し、お正月は奇妙な省略を重ねながらも「見せて」おき、「いつまでもサンタを信じる夢のある子」でいてほしいと願う主婦たち。しかし、子どもは13歳を迎え、「理想の子どもイメージ」には納まりきらなくなる。情報は知っていても何もできないまま、初めて現実に触れる。少年犯罪や家庭問題が、13歳でおきるのは偶然ではないのかもしれない。
〜「壊れる家族 ─愛されるXマス、嫌われる正月」文藝春秋2004.1
いずれにせよ、崩壊した家族が彼女らを救えるとは思えない。

上記記事によれば神奈川県警は「親や教師ら、身近な人が日常的なコミュニケーションを通じて、少女に『独りぼっちじゃない』と伝えることが大切」といっているということですが、すでに犯罪予防へとシフトしてるっぽい警察にしては、考えが甘いのではないでしょうか。



■関連記事:
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■2008-11-26 23:02追記:「久米宏のテレビってヤツは!?」の番組ブログにコメント。「キャバ嬢になりたい問題(?)、こういうことなのでは?」と、この記事のURLを書いておきました。「理想」のトレースばかりして面と向き合わない、きれいごとばかり言ってんじゃねーよオヤジって感じでしょうか?もう少し視点を深めたほうが良い番組になるのではと思います。お声がけいただければ喜んでお手伝いしまーす!
(もとステーション金曜版リサーチャーより)

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